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安川電機の製品にまつわる疑問や業界の
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今さら聞けない「カーボンニュートラル」
インバータやPMモータによる
電気料金・CO2削減事例を解説

2021.05.25

豆大福先生への質問豆大福先生への質問

カーボンニュートラルやCO2削減という言葉をよく聞くようになりました。
自社の工場でもCO2削減の取り組むことになったのですが、
どんな方法があるでしょうか?具体的な効果も教えてください。


豆大福先生

近年、世界的にカーボンニュートラルの機運が高まっていますね。皆さんの工場や事業所などでもCO2削減の取り組みを検討する動きがあるのではないでしょうか。今回は、カーボンニュートラルの用語解説から、安川電機のインバータやPMモータを使ったCO2削減の実践事例、それにより得られる具体的な省エネ効果についてわかりやすく解説します。


カーボンニュートラルとは?温室効果ガス排出量“実質ゼロ”ってどういうこと?

カーボンニュートラルとは?温室効果ガス排出量“実質ゼロ”ってどういうこと?

カーボンニュートラル(carbon neutral)とは、CO2(二酸化炭素)およびメタン、N2O(一酸化二窒素)、フロンガスを含む温室効果ガスの排出量を“実質ゼロ”にすることをいいます。

政府による「2050年カーボンニュートラル宣言」や、「2030年に温室効果ガス46%削減」の目標発表などにより、国内でもカーボンニュートラルが注目されるようになりました。

2020年10月、臨時国会の所信表明演説で菅総理が行った「2050年カーボンニュートラル宣言」は、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」というものでした。「ニュートラル(中立)」とは、この「排出を全体としてゼロ(実質ゼロ)にする」ことを意味しています。

経済産業省資源エネルギー庁によれば、この“実質ゼロ”とは、
排出を完全にゼロに抑えることは現実に難しいため、排出せざるを得なかったぶんについては同じ量を『吸収』または『除去』することで、差し引きゼロ、正味ゼロ(ネットゼロ)を目指しましょう
という意味だとしています。
∗出典:経済産業省資源エネルギー庁 「『カーボンニュートラル』って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?」<https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_neutral_01.html>(最終閲覧日:2021年5月24日)

つまりカーボンニュートラルとは、「CO2(二酸化炭素)をはじめとする温室効果ガスの排出量は削減しながら、排出せざるを得なかった温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いてゼロを達成することだと定義できるでしょう。
∗出典:環境省「2050年カーボンニュートラルの実現に向けて」< http://www.env.go.jp/earth/2050carbon_neutral.html>(最終閲覧日:2021年5月24日)

安川電機のカーボンニュートラルの取り組み

安川電機のカーボンニュートラルの取り組み

SDGsの観点からも国内外の企業が様々なカーボンニュートラルに取り組む中、安川電機でもグループの環境ビジョンとして「YASKAWA ECO VISION」を掲げ、2050年に当社グループのグローバルの事業活動に伴うCO2排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする取り組みを進めています。

この目標の実現の一環として、当社ではインバータやPMモータなどの製品供給を通じて、お客様の環境負荷低減に貢献しています。2025年には、当社グループによるCO2排出量の100倍のCO2を当社製品によって削減する目標を掲げて事業活動に取り組んでいます。
CCE100:Contribution to Cool Earth 100

工場でのカーボンニュートラルは“省エネ”から始めよう!省エネに役立つ製品は?

工場でのカーボンニュートラルは“省エネ”から始めよう!省エネに役立つ製品は?

カーボンニュートラルを実現するにはCO2削減が必要ですが、工場や事業所などで取り組める身近な方法は、省エネ、つまり機械の消費電力を削減することです。

消費電力を削減すると電気エネルギー全体の供給量が抑えられ、電気エネルギーを作る際の燃料が減り、燃焼時に排出されるCO2が削減されます。省エネは電気料金が抑えられるだけでなく、ひいては温室効果ガスの排出量削減につながるのです。

消費電力の削減は、各機械のエネルギー効率を高めることで実現できます。安川電機では、省エネに貢献するインバータやPMモータ製品を数多くラインアップしています。次の章では、これらの製品を適用した具体的な省エネ事例を解説します。

省エネ製品への適用・置き換えで得られる、電気料金削減・CO2削減効果とは?

実際に安川インバータや安川PMモータの適用・置き換えによって、具体的にどのような省エネ効果(電気料金削減・CO2削減)が得られるのか、4つの取り組み事例をご紹介しましょう。
∗省エネ効果は、電力単価:16円/kWh、CO2係数:0.42kg/kWhにて試算

省エネ製品への適用・置き換えで得られる、電気料金削減・CO2削減効果とは?

事例①インバータ適用による省エネ効果

直入れモータ始動の機械にインバータを適用することで、大幅な省エネを実現します。例えば、ファンの風量制御をダンパ制御からインバータ制御に変更し、年間消費電力を約45%削減した事例もあります。

事例①インバータ適用による省エネ効果

【動画で見る】インバータ新シリーズ 安川インバータGA700 製品紹介動画
インバータ新シリーズ 安川インバータGA700 製品紹介動画

【適用製品】高性能インバータGA700
【適用製品】小型高性能インバータGA500

事例②PMモータへの置換による省エネ効果

誘導モータを使用している場合、高効率なPMモータに置き換えることで省エネを実現します。特に既設が標準モータ(IE1)の場合は、PMモータを適用することで年間消費電力量の大幅削減につながります。

事例②PMモータへの置換による省エネ効果

【もっと詳しく】PMモータってどんなモータ? 性能を最大限に引き出すには?
【適用製品】PMモータSS7シリーズ(センサレス/センサ付き)

事例③回生エネルギーの利用で、年間消費電力量を半減

3つ目は、モータが発電した電力(回生エネルギー)を電源に戻す「電源回生」による省エネです。クレーンや自動倉庫などの用途で効果を発揮します。

マトリクスコンバータU1000や回生省エネユニットD1000やR1000を使用することで、制動抵抗器などで熱として捨てていた回生エネルギーを電源に戻し、年間消費電力を半減した事例もあります。

事例③回生エネルギーの利用で、年間消費電力量を半減

【動画で見る】高力率電源回生(K5=0)マトリクスコンバータU1000のご紹介
高力率電源回生(K5=0)マトリクスコンバータU1000のご紹介

【適用製品】高力率電源回生(K5=0) マトリクスコンバータ U1000
【適用製品】高力率電源回生コンバータ(K5=0) D1000
【適用製品】電源回生ユニットR1000

事例④モータ効率の向上:インバータの自動調整で省エネ効果を最大限に!

最後はモータ制御技術による、さらなる省エネの事例です。これまでご紹介してきた3つの方法に加え、安川インバータのGA700・GA500による「モータ効率の向上」を加えることで最大限の省エネ効果を実現できます。

「モータ効率の向上」とは、GA700・GA500に新しく搭載された、すべての運転条件でモータ効率を自動的に向上する省エネ制御のことを指します。

この制御機能により、これまで課題だった機械の状態に合わせた細かな調整が不要となり、従来のインバータに比べ、軽負荷時で最大約9%もの省エネが可能になります。

事例④モータ効率の向上:インバータの自動調整で省エネ効果を最大限に!

【もっと詳しく】自動調整で省エネ効果を最大限に!「モータ効率の向上」についての詳細を見る
【もっと詳しく】高効率モータ対応インバータ 「GA700」はここがスゴい
【適用製品】高性能インバータGA700
【適用製品】小型高性能インバータGA500

今後ますます取り組みが本格化していくとみられる「カーボンニュートラル」。インバータやPMモータによる省エネに興味を持たれた方や、まさに今方法をご検討中の方は、ぜひお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

解説のポイント

  1. カーボンニュートラルとは、CO2(二酸化炭素)をはじめとする温室効果ガスの排出量から、森林などによる吸収量を差し引いてゼロを達成することである。
  2. 安川電機では、カーボンニュートラルの目標実現の一環として、インバータやPMモータなどの製品供給を通じ、お客様の環境負荷低減に貢献している。
  3. 安川インバータや安川PMモータへの適用・置き換え、回生エネルギーの利用やモータ効率の向上などを行い、年間消費電力量やCO2排出量を大幅に削減することができる。

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