人協働ロボットは用途が広がっています。通常のロボットだと、設置場所を固定して使うことが多いですが、生産ライン変更が多い製造現場にこそ最適な人協働ロボットがあります。メリットや用途について解説しますね。
ロボットに求められる“移設のしやすさ”
現在の製造業は、大量生産だけでなく、多品種を生産したり、需要に合わせて臨機応変に生産を行ったりする「多品種少量生産」「変種変量生産」が広まっています。例えば、三品産業(食品、医薬品、化粧品)は、需要の変動が大きく、季節あるいはトレンドによって生産品が頻繁に入れ替わるのが特徴です。
このような生産形態では、生産ラインのレイアウト変更が何度も行われます。そのため、従来は設置場所を固定して作業をしていたロボットにも、「必要な時に」「必要な場所へ」「簡単に移動して設置が出来る」、といった“移設のしやすさ”が求められるようになりました。
移設しやすいことのメリット
ロボットを簡単に移設できるようになると、生産ラインのレイアウト変更にも容易に対応できます。そのため、その時の需要に合わせた生産品に切り替えても短期間で生産体制を構築することができ、商機を逃すことがありません。
また、作業場所の変更にフレキシブルに対応できないといった理由から人による作業に頼りがちになっている生産ラインでも、自動化を進められる可能性が大いにあります。
HC10DTハンドキャリータイプの特長
移設のしやすさが求められていることを踏まえ、安川電機がご提案しているのが、人協働ロボットHC10DTハンドキャリータイプです。人協働ロボットの下に台車部分が付いていて、押して運べる仕様になっています。
移設の方法は簡単です。台車部分にあるハンドルを回すと、アジャスタで床面に固定された状態とキャスターで移動できる状態を切り替えることができるので、あとは手で押して設置したい場所へ運び、再びハンドルを回して固定状態へ切り替えれば設置完了です。
ライン変更時だけでなく、ロボットが必要な工程があれば、すぐにそのラインに設置することができるのです。電源は100Vに対応し、3相200Vの仕様も別途用意しています。
オプションとして、セーフティレーザスキャナも追加できます。レーザスキャナを台車の対角に2箇所付けることで、保護領域を360度監視し、さらに安全性を高めることができますよ。
詳細や導入については、お気軽にお問い合わせくださいね。