自動化のためにロボットを導入したいが、スペースがないという製造現場も多いですね。安全柵を設けずに人と同じ空間で働ける*人協働ロボットは、広い分野への適用が期待されています。そのためには、ロボットの進化も必要で、過酷な環境への対応もその一つです。今回は、防じん・防滴仕様の人協働ロボットについてご紹介しますね。
*安全機能により安全柵なしのシステム構築が可能ですが、全てのケースにおいてリスクアセスメントを実施する必要があります。
進化する人協働ロボット 耐環境性の向上もポイントに
人協働ロボットは産業用ロボットの中では市場が立ち上がったばかりの分野です。産業用ロボット各社も市場投入し、製品ラインアップを拡充しています。
安川電機では、人協働ロボットを簡単に移動・移設することができるMOTOMAN-HC10DT ハンドキャリータイプも販売していますが、さらに人協働ロボットを多くの現場で使っていただくためには、耐環境性の向上も欠かせません。
過酷な環境にも耐えられる!防じん・防滴仕様の特長は?
人協働ロボットMOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様タイプは、耐環境性が向上し、ちりやほこり、液体などの混入が想定される製造現場に適用できます。例えば、工作機械へのワーク投入時などで切削油がかかるような過酷な環境でも使用できます。
MOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様は、全軸でIEC(国際電気標準会議)規格IP67を満たしているため、過酷な環境に耐えることができます。IP67とは、粉じんの侵入が防護されており、ある一定の圧力・時間での水没に関して保護ができる等級で、標準仕様のMOTOMAN-HC10DTに比べて耐環境性は大幅にアップ。
表面にはアクリルウレタン塗装を施し、先端フランジの材質にはステンレスを採用することで、衛生面への配慮から水洗いが必要な用途でも使用できます。
さらに、使いやすさの向上にも取り組みました。ロボット先端部にコネクタを配置。ロボットハンドなどのツールを直接取り付けられるため、セットアップ時間も短縮できます。また、ロボット先端へのカメラ搭載などに便利なEthernet用ケーブル内蔵タイプも準備しました。
MOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様は、どんな用途に使える?
ちりやほこり、液体などの混入が想定される過酷な環境にも耐えられるMOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様は、これまでその環境のために人協働ロボットの導入が難しかった現場においても、自動化の可能性を広げることに貢献します。
例えば、自動車・機械関連部品などの搬送・組立や、工作機械へのワークの投入(マシンテンディング)、食品の搬送*・薬品・化粧品などの搬送に適用できます。
*SIやユーザーとの間で十分なリスクアセスメントを実施したうえで適用ください。
人協働の可能性を広げるMOTOMAN-HC10DT防じん・防滴仕様や、MOTOMAN-HCシリーズの詳細や導入については、是非お気軽にお問い合わせくださいね。
解説のポイント
- 人協働ロボット市場はまだ途上で、様々な機能の拡張が求められている
- 安川電機では防じん・防滴仕様の人協働ロボットをラインアップ
- ちりやほこり、液体などの混入が想定される製造現場でも人協働ロボットの適用が可能に