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太陽光発電用パワーコンディショナは
所有者側でもメンテナンスが必要?
作業内容や専門点検サービスを解説

2025.01.10

豆大福先生への質問 豆大福先生への質問

自社の屋上に太陽光発電システムを導入することになりました。
長期間安定して発電をしたいのですが、自分たちでもメンテナンスが必要でしょうか?太陽光発電システムの機器は点検のノウハウがないため心配です…。


豆大福先生

自家消費型太陽光発電システムの導入が増えていますね。太陽光発電は長期間使用することが一般的なため、システム効率を最大化しながら安定稼働するためには、システム所有者と有資格者それぞれによるメンテナンスが不可欠です。今回は、システムの保守点検を定めた法律や点検内容について解説し、システムの中でも重要な機器であるパワーコンディショナの専門的な点検サービスについてもご紹介します。


太陽光発電システム、パワーコンディショナの点検の重要性

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近年、自家消費型の太陽光発電システムの導入も増え、太陽光発電はますます身近になっています。太陽光発電は、長期間使用されることが一般的です。長い期間安定運用するためには、定期的な点検が欠かせません。

●保守点検は法律で定められている
太陽光発電システムの保守点検の実施は、「電気事業法」「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(再エネ特措法)」で定められています。FIT発電所の場合は、再エネ特措法に基づく「太陽光発電事業計画策定ガイドライン」(資源エネルギー庁)が発行されており、遵守しないと発電事業者の認定を取り消される可能性もあります。

また、点検作業については、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」(一般社団法人日本電機工業会、太陽光発電協会 技術資料)を参考に、保守点検や維持管理計画を策定することが求められています。

●システム効率や発電量維持のためにも重要
太陽光発電システムの中でもパワーコンディショナは、太陽光発電システムの中で電力変換(太陽電池からの直流電力を系統電源に接続するための交流電力に変換)を担う重要な機器です。設置したままメンテナンスを怠っていると、システム効率が悪くなったり発電量が少なくなったりする恐れがあります。

太陽光発電システムの管理責任は、発電設備“所有者”にある

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発電設備を管理する責任は、発電設備の施工業者や設備メーカーではなく「発電設備の所有者(システム所有者)」にあることがポイントです∗1。太陽光発電システムを所有している事業者は、「電気事業法」∗2に基づき自主的な補修等を行うことが定められています。

システム所有者(施主・発電事業者)が責任を持って点検やメンテナンスを行う必要があるのです。例えば、自家消費型太陽光発電を導入している企業の場合は、導入した企業自身となります。

しかし、システム所有者(施主・発電事業者)に管理責任があるといっても、点検作業には資格を持った専門の技術者しか行えないものもあります。そのため、システムのメンテナンスは、システム所有者側で行う日常的な管理・点検と、メーカーなど専門業者で行う定期点検に分かれています。

1 出典:一般社団法人日本電機工業会、太陽光発電協会, 「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」
2 第39条または第56条

システム所有者が行うべきパワーコンディショナの管理・点検作業の内容

システム導入後に施主側で行う管理・点検作業は、以下のような内容です。主にパワーコンディショナのフィルタ清掃やファンの動作確認、太陽電池周辺の環境整備、パワーコンディショナの運転状況などを確認します。

①パワーコンディショナや太陽電池の定期確認

項目 ポイント
①パワーコンディショナの冷却部に目詰まりはないか? 目詰まりがあれば清掃を行う。定期的なフィルタ清掃がおすすめです。
②パワーコンディショナの冷却ファンは動作しているか? 定期的に確認し、停止している場合は製品を購入した会社へ連絡する。
③太陽電池に日陰ができていないか? 定期的な除草作業を行う。

②パワーコンディショナの運転状況のモニタリング
パワーコンディショナのモニタリング機器が設置されている場合は、運転状況を確認するようにしてください。

項目
①正常動作しているか?(停止していないか、異常は発生していないか)
②他のパワーコンディショナと比較して、運転状況や発電量に差異がないか?
③抑制(電圧上昇抑制、温度上昇抑制)は発生していないか?
④異常履歴に異常やエラーが残っていないか?

また、導入から年数が経過したパワーコンディショナについては、パワーコンディショナ本体の更新もご検討ください。目安は、連系開始から10年です。
∗太陽光発電システムで発電した電気を電力会社に送るために、電力会社の送配電網に接続すること

▶さらに詳しく:【運用・管理編】太陽光発電システム(パワーコンディショナ)を長期安定稼働させる

パワーコンディショナの定期点検・専門的な点検は、安川電機にお任せください!

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一方、パワーコンディショナの内部の定期点検は、電気工事を伴うため、第一種電気工事士または認定電気工事従事者の有資格者が行う必要があります。定期点検の時期の目安は1~2年ごとですが、それぞれの使用状況や環境によっては定期点検の時期を早めます。

定期点検は有資格者による作業となるため、専門業者に任せるのが安心です。安川電機では、専門的な知識と技術を持つエキスパートによる、パワーコンディショナの定期点検サービスを展開しています。本来必要な定期点検に加えて、お客さま側ではカバーしづらい箇所について専門的な点検も行います。

●1年ごとに行う内容
実施の目安が1年ごとの点検では、取扱説明書に記載されている定期点検、通電状態で可能な簡易点検を実施します。異常が見つかった際は、部品の取り替えや製品の交換などを行います。

●10年目に行う内容
実施の目安が10年目の点検では、ファンの交換作業を行います。また、10年以上の長期使用をお考えの場合は、当社整備工場でのオーバーホールをおすすめいたします。

●パワーコンディショナ点検 点検プラン

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▶参考:【交換事例】診断とオーバーホールで突発故障を防止

※当社では、「太陽電池(太陽光パネル)」の点検は実施していません。太陽電池の点検は、購入先(商社、施工店など)へご確認をお願いします。

パワーコンディショナの点検を依頼したいときは?点検サービスのお申込みから対応までの流れ

当社パワーコンディショナの購入先(商社、施工店など)が窓口となり、ヒアリング後にお見積となります。まずは購入先(商社、施工店など)の担当者にご連絡ください。

サービスをお申込みの際は、パワーコンディショナの機種名(形式)、シリアル番号など、発電所の情報をご準備いただくと、ヒアリングやお見積りの時間短縮につながります。

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点検作業を適切に行うことで、パワーコンディショナの性能を維持し、発電効率の低下や安全リスクを最小限に抑えることができます。太陽光発電システムの長期的な安定運用のため、ぜひ安川電機の点検サービスをご活用ください。

解説のポイント

  1. 太陽光発電は長期間使用することが一般的なため、システム所有者でも日常的な管理・点検が必要。
  2. パワーコンディショナ内部の点検作業は、第一種電気工事士または認定電気工事従事者の有資格者が行う必要があるため、専門業者に任せるのが安心。
  3. 安川電機では専門的な知識と技術を持つエキスパートによるパワーコンディショナ点検サービスを展開。定期点検に加え、お客さま側ではカバーしづらい箇所について専門的な点検も行っている。

また、安川電機では、製品の導入時から故障復旧、点検・診断などの予防保全、更新・改造まで、お客さま設備のライフサイクルにあわせて最適にサポートいたします。アフターサービスのページでは、様々なシーンでのご希望やお困りごとにお応えするサービスをご紹介しています。

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