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太陽電池パネルのトレンドを解説!
パネルの大出力化に対応できるパワコンとは?

2023.08.24

豆大福先生への質問 豆大福先生への質問

大出力(500W超)の太陽電池パネルを使用した
太陽光発電システムを新設したいが、
大出力に対応できるパワーコンディショナが少ないようだ。


豆大福先生

近年、太陽電池パネルは大出力化・大型化が進んでいます。一方、そうしたパネルと太陽光発電用パワーコンディショナの「相性」が課題になっています。今回は、太陽電池の大出力化のトレンドや市場のニーズを解説し、大出力の太陽電池にも安心して適用いただけるパワーコンディショナ製品をご紹介します。


太陽電池パネルの大出力化が進んでいる

太陽電池パネルイメージ

脱炭素経営、SDGsの取組みが進む現代、クリーンエネルギーの代表的存在である太陽光発電はますます身近なものになっています。近年は、2012年に開始された「固定価格買取制度(FIT)」の利用だけでなく、自らの発電システムで発電した電気を電力会社に売らずに、すべて自分たちで消費する「自家消費型太陽光発電」という仕組みへの移行も進んでいます。

太陽光発電システムの普及が進む中、太陽電池パネルの大出力化・大型化がトレンドとなっています。この数年で多くのパネルメーカーが600W台の製品を発売しています。これは、2012年のFIT開始当時に発売されていた一般的な太陽電池に比べ、約2~3倍の出力です。太陽電池パネルの出力を向上するため、パネル自体のサイズも大型化しています。

太陽電池パネルの「出力」とは?W(ワット)とは?

「出力」とは、太陽電池パネルの発電量のことです。太陽電池パネルが瞬間的に発電できる最大出力のことで、W(ワット)数で表します。このワット数が大きいほど高い発電能力を持っているといえます。

太陽電池パネルの大出力化の背景には、太陽光発電システムの導入コストや設置工数を削減したいという市場ニーズがあります。低出力の小さいパネルを何枚も設置するよりも、パネルの枚数や設置・配線工数を削減でき、導入の際のコストメリットが大きくなるからです。

技術の進歩により日光を電力に変換する効率が向上してきたことに加え、太陽電池パネルの基になる大型ウエハの価格が落ち着いたこともあり、市場ニーズにメーカーが応えた結果といえそうです。

太陽電池パネルの大出力化に伴う、パワーコンディショナの対応は?

太陽電池パネルの大出力化は、パネル1枚あたりの出力電圧(V)を高くするよりも、パネル1枚あたりの出力電流(A)を大きくする形で進んでいます。ここで注意しなければならないのが、発電した電力を変換する「パワーコンディショナ」との相性です。

一見、太陽電池パネルの電流が大きいほうがたくさん発電できそうですよね。しかし、太陽電池パネルの電流が大きくなると、パワーコンディショナに負担がかかってしまう場合があります。

なぜ負担がかかるのか、同一容量の18kWを想定し、構成を比較してみましょう。(下図)

比較イメージ

例えば、300Wの太陽電池パネルを使用した場合(①)は、10直列×6並列(6回路)でパワーコンディショナに接続し、1回路あたりに流れる電流は9.10Aとなります。

一方600Wのパネルを使用した場合(②)は、10直列×3並列(3回路)で接続できますが、その分1回路に今までの倍の電流(17.4A)が流れ、回路の負担が大きくなるのです。

この負担に耐えられなくなると、パワーコンディショナの故障につながるため、パワーコンディショナには入力電流の上限が設けられています。そのため、太陽電池パネルの出力電流が、パワーコンディショナ1回路あたりの制限を超えないようにする必要があるのです。

太陽電池パネルの出力電流が、パワーコンディショナ1回路あたりの制限を超えないようにする必要があるイメージ

パワーコンディショナとは?

パワーコンディショナは、太陽電池パネルで発電した直流の電気を、交流の電気に変換する装置のことです。電力会社の系統電源に供給したり、一般家庭の電気機器で使用できる高品質の電力を作り出したりするためのものです。
電力変換の際には多少のエネルギーロスが発生します。太陽電池パネルの発電量を最大化するためには、「エネルギーロスが少ない=変換効率が高い」パワーコンディショナを選ぶのがポイントです。

太陽電池パネルの大出力化トレンドに対応したパワーコンディショナ選びが課題となる中、安川電機では、大出力の太陽電池パネルにも安心して適用いただけるパワーコンディショナ製品を展開しています。

大出力パネルに対応できる安川電機のパワーコンディショナ

安川電機では、大出力の太陽電池パネルに対応できる製品として、Enewell-SOL P2シリーズ(9.9 kW/10 kW)、Enewell-SOL P3シリーズ(25 kW)を展開しています。P2シリーズはオプションで対応、P3シリーズは標準で対応しています。

製品と最大電流値イメージ

低圧連系には絶縁型のEnewell-SOL P2H(200V級9.9kW)、高圧連系には非絶縁型で容量の大きいEnewell-SOL P3A(200V級25kW)が最適です。

高圧連系に適した非絶縁型としてはEnewell-SOL P2A(9.9 kW/10kW)もありますが、特に自家消費については、専用機能を搭載したP3A(25kW)がお勧めです。

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Enewell-SOL P2シリーズの特長・おすすめポイント

Enewell-SOL P2シリーズイメージ

10kW三相のパワーコンディショナを作っているのは国内メーカーのみで、販売しているメーカーも限られています。安川電機のEnewell-SOL P2シリーズは、もともと12.5Aの動作電流までの太陽電池に対応していますが、直流入力部にオプションの「コモンバー」を適用することで、20Aまでの大出力の太陽電池パネルを接続することができるようになります。
コモンバーは、大出力の太陽電池からの電流を2つの入力回路に分散して流すことで、破損などのリスクを防ぎます。

コモンバーイメージ

製品自体の特長として、P2シリーズは高過積載に対応しています。現場条件によって最適な過積載率は異なるため、上限値が高い程臨機応変なシステム設計が可能となります。

Enewell-SOL P2シリーズイメージ

また、絶縁型が選べることや、自立運転など近年導入が進んでいる「自家消費型太陽光発電」にも適した機能で、初期費用の削減などに貢献します。さらに、ファン・フィルタ清掃&交換の簡単さや、基板などに外気を当てない、電装部と吸気部を分けた2重構造も特長です。

Enewell-SOL P2シリーズイメージ

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Enewell-SOL P3Aの特長・おすすめポイント

Enewell-SOL P3Aイメージ

Enewell-SOL P3Aは2023年3月に発売された機種です。大出力の太陽電池パネルにも標準で対応しています。(25A/回路まで)

P3Aは自家消費・オンサイトPPAに有効な機能・構造が特長です。200V級で、電圧をあわせるためのトランスが不要です。また、優れた静音性、自家消費制御機能内蔵で発電電力を最大活用できます。さらに、P3Aはクラウドサービスを使い、スマホで簡単監視・操作が可能です。

Enewell-SOL P3Aイメージ

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解説のポイント

  1. 太陽光発電システムの導入コストや設置工数を削減したいという市場ニーズを受け、太陽電池パネルの大出力化・大型化が進んでいる。
  2. 大出力の太陽電池パネルに対応できるパワーコンディショナ選びが重要に。発電システムが機能しなくなってしまう恐れも。
  3. 安川電機では、大出力の太陽電池パネルに安心して適用できるパワーコンディショナを取りそろえている。

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