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インバータ置換え時はここに注意!
性能の違い、仕様の変更点など
後継機種への置換えポイントを解説

2023.05.22

豆大福先生への質問 豆大福先生への質問

機械性能アップやデータ活用の準備のため、
インバータの置換えを検討しています。
機能や性能、仕様など具体的にどこが変わりますか?


豆大福先生

インバータの置換えを検討される際は、互換性や稼働への影響、機能・性能の違いが重要になります。制御盤のサイズや周辺機器、パラメータなどはシステムコスト・セットアップのコストにも影響しますよね。今回は、当社インバータ「A1000」「V1000」からの置換えを検討されている皆様へ、安心して新たな機種へと置き換えていただくためのポイントをご紹介します。


現在ご使用いただいている機種の後継機種はこちら

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現在ご使用いただいている機種は、「A1000」「V1000」のどちらでしょうか?
A1000の後継機種はGA700、V1000の後継機種はGA500となります。下の画像で、現在ご使用のインバータをお選びください。機種に応じた置換えポイントをご案内します。

A1000と後継機種GA700の仕様比較・基本性能の違い

まずは、A1000と後継機種であるGA700の仕様や基本性能の違いをご紹介します。
後継機種のGA700は、A1000よりも機能・性能が向上しており、全容量で0.5~1.6ポイント効率アップを実現しています。モータの消費電力を監視しながらエネルギー効率がいつも最大になるように制御することで、調整不要で高い省エネ効果を実現できるのが特長です。

・A1000とGA700一般仕様比較

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A1000からGA700への置換えのポイント

A1000からGA700ヘの具体的な置換えのポイントを7つご紹介します。

    <置換えのポイント>
  • 定格電流
  • 過負荷耐量
  • MEMOBUS/Modbus通信
  • 寸法
  • 端子
  • パラメータ
  • 周辺機器

①定格電流:全容量で同等

全容量で同等です。

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②過負荷耐量:110%を超えて使用中なら、加減速を長く設定

過負荷耐量は、ND定格で「120% 60秒」から「110% 60秒」になります。既設が過負荷耐量110%を超えてご使用の場合は、加減速を長く設定していただく必要があります。

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③MEMOBUS/Modbus通信:RS-422で使用中なら、2線式RS-485に変更を

MEMOBUS/Modbus通信のインターフェースは、A1000ではRS-485/RS-422標準でしたが、GA700ではRS-485標準となっています。RS-422で使用されている場合は、2線式RS-485に変更ください。

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④寸法:D寸法(奥行寸法)に注意

GA700は、A1000よりもD寸法(奥行寸法)が大きくなっています。W,H寸法は同等もしくは小さくなります。制御盤内の取り付けに問題ないかご確認ください。
なお、本体置き換えアタッチメントを取り付けることで、既設の取付穴を利用してGA700を取付できます。本体置き換えアタッチメントの手配コードや取付手順は、A1000置換要領書の項4-3をご覧ください。

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⑤端子:ヨーロッパ式ねじ端子台に変更

主回路端子は、A1000ではねじ端子でしたが、GA700では一部容量で端子形状がヨーロッパ式ねじ端子台に変わっています。
また、制御回路端子も、ねじ端子からヨーロッパ式ねじ端子台に変わっています。配線の際は、裸線を剥いて接続するか、棒端子(フェルール端子)をご使用ください。

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⑥パラメータ:一部異なりますが、サポートツールを用いて簡単にパラメータ移行が可能です

A1000とGA700でパラメータの並びなど、一部異なります。パラメータ管理のサポートツール「Drive Wizard」を用いて簡単にパラメータ移行が可能です。各パラメータの詳細は置換要領書をご確認ください。

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⑦周辺機器:制動抵抗器取付けアタッチメントが異なります

インバータ裏面に制動抵抗器(ERF形)を取付けている場合、A1000で使用されている制動抵抗器取付けアタッチメントは、GA700ではそのままご使用いただけない場合があります。
制動ユニット、リアクトル、ノイズフィルタ、ヒューズはそのままご使用できます。

A1000からGA700への置換え時のポイントをご紹介しました。置換え機種の対応表や、置換えを行う場合の相違点、注意点の詳細については、置換え要領書もご覧ください。

V1000と後継機種GA500の仕様比較・基本性能の違い

V1000と後継機種であるGA500の仕様や基本性能の違いをご紹介します。
最新機種のGA500に置き換えていただくことで、後継機種よりも性能はもちろん、使いやすさ、保守性が大幅に向上します。

・V1000とGA500一般仕様比較

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V1000からGA500への置換えのポイント

V1000の後継機種であるGA500は、V1000との互換性を保って設計しています。
V1000からGA500ヘの置換えのポイントは以下の6つです。

    <置換えのポイント>
  • 過負荷耐量
  • MEMOBUS/Modbus通信
  • 寸法
  • 端子
  • パラメータ
  • 周辺機器と通信オプション

①過負荷耐量:110%を超えて使用中なら、加減速を長く設定

過負荷耐量は、ND定格で「120% 60秒」から「110% 60秒」になります。既設が過負荷耐量110%を超えてご使用の場合は、加減速を長く設定していただく必要があります。

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②MEMOBUS/Modbus通信:RS-422で使用中なら、2線式RS-485に変更を

MEMOBUS/Modbus通信のインターフェースは、V1000ではRS-485/RS-422標準でしたが、GA500ではRS-485標準となっています。RS-422で使用されている場合は、2線式RS-485に変更ください。

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③寸法:現在お使いの環境・設定のまま、V1000からGA500へ簡単に置換え可能です

V1000とGA500はサイズ互換性があり、アタッチメント不要で置き換えが可能です。取付穴のサイズが異なりますが、V1000と同じM4ねじで取り付け可能です。

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④主回路端子:ヨーロッパ式ねじ端子台に変更

V1000ではねじ端子でしたが、GA500では端子形状がヨーロッパ式ねじ端子台に変わっています。配線の際は、裸線を剥いて接続するか、棒端子(フェルール端子)をご使用ください。

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⑤パラメータ:一部異なりますが、サポートツールを用いて簡単にパラメータ移行が可能です

V1000とGA500でパラメータの並びなど、一部異なります。パラメータ管理のサポートツール「Drive Wizard」を用いて、簡単にパラメータ移行が可能です。各パラメータの詳細は置換要領書をご確認ください。

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⑥周辺機器と通信オプション:通信オプションケースが異なります

オプションカードは互換性がありますが、通信オプションケースが異なります。オプションカードを流用される場合は、通信オプションケースを購入いただく必要があります。
制動抵抗器、制動ユニット、リアクトル、ノイズフィルタ、ヒューズはそのままご使用できます。

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V1000からGA500への置換えのポイントを紹介しました。置換え機種の対応表や、置換えを行う場合の相違点、注意点の詳細については、置換え要領書もご覧ください。

e-メカサイトでは、インバータの置換えのポイントを集約した特設ページもご用意しています。また、置換えについてのご不明点やご相談については、こちらのお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。置換えのサポートも行っています。

解説のポイント

  1. A1000の後継機種はGA700です。GA700は、A1000より機能・性能が向上しており、全容量で0.5~1.6ポイント効率アップを実現しています。
  2. V1000の後継機種はGA500です。GA500は、V1000と互換性があり、現在お使いの環境・設定のまま置換え可能です。
  3. e-メカサイトでは置換要領書のダウンロードや置換えサポートなどのサービスを提供しています。

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