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豆大福が大好きな通称"豆大福先生"が
安川電機の製品にまつわる疑問や業界の
トレンドをわかりやすく解説します。

機械設備の“省エネ”機器、
何を基準に選べばいい?
参考となる制度や導入メリットとは?

2021.11.19

豆大福先生への質問豆大福先生への質問

機器選定を担当する中で、環境への負荷や省エネ効果も気になっています。
しかし、何を決め手に選べばよいのか迷っています。
省エネ機器を選ぶ際のポイントはありますか?


豆大福先生

ひと口に“環境負荷低減”や“省エネ効果”といっても、機器によって機能や性能が異なり選定に迷われる方は多いかもしれませんね。そこで今回は、環境への配慮や省エネという視点で機器を選定される際に、参考にしていただきたい当社独自の認定制度をご紹介します。


生産現場で、環境に配慮した省エネ機器を選ぶメリットとは?

生産現場で、環境に配慮した製品を選ぶメリットとは?

環境意識の高まりとともに、生産現場の機械設備で使用される機器も、環境負荷を低減できる性能や機能を持つものが注目されています。

環境負荷の低減といえばまず思い浮かぶのは、CO2削減ではないでしょうか。しかし、環境に配慮された機器を選ぶことは、CO2削減だけではなく、生産性の向上、設備の省スペース化や部品の削減による省資源化、高効率化によるランニングコストの削減など、様々なメリットがあります。

このように、お客様の生産性・省エネ性を飛躍的に向上させ、世の中の環境負荷を低減するため、安川電機(以下、当社)では製品・サービスを通じた環境貢献の取組みを行っています。

まず製品開発段階で、製品アセスメント規定を定め、環境配慮設計が行われていることを検証し、一定の水準が満たされないものは、製品化できない仕組みになっています。そのうえで、さらに環境に配慮した製品を認定する「グリーンプロダクツ」という独自の制度を導入しています。

「グリーンプロダクツ」誰がどう評価して認定している?

「グリーンプロダクツ」誰がどう評価して認定している?

「グリーンプロダクツ」は、気候変動抑制など地球環境改善に貢献する製品を指す当社独自の呼称です。当社では2015年からこのグリーンプロダクツの認定制度を毎年実施し、2021年現在は累計33機種が認定されています。

認定の仕組みは?

グリーンプロダクツの認定は毎年2回行われます。グリーンプロダクツ認定審議会と環境推進委員会において、製品による環境貢献度を「地球温暖化防止」・「省資源・リサイクル」・「化学物質適正管理」の3つの視点で点数評価します。そして、一定の基準を満たす製品を「グリーンプロダクツ」、さらに業界最高水準の環境性能を発揮する製品を「スーパーグリーンプロダクツ」として認定しています。

認定の仕組みは?

評価のポイントは?

環境貢献度の評価では、例えば以下のような特徴がポイントになります。

電源回生エネルギーの活用や待機電力の省エネ機能が搭載されているか
モータのエネルギー効率を最大化する機能が搭載されているか(例:インバータ)
小型化・軽量化などによって省資源、省スペース化、省エネに貢献できるか
製品構成材料のリサイクル性は向上しているか
可搬質量、速度、有効動作領域を向上し、生産性を向上できるか(例:ロボット)
バッテリーレスや部品点数削減などによって、省資源化に貢献できているか(例:サーボ)
故障予兆診断機能など安定稼働のためのメンテナンス性を向上できているか

※過去のスーパーグリーンプロダクツ認定製品の環境配慮ポイントより

こうした厳しい基準をクリアして認定された「スーパーグリーンプロダクツ」認定製品は、省エネ大賞を受賞するなど、外部からの高い評価も得ています。

なぜ小型化・軽量化することが省エネになるの?
製品の自重が軽くなると、その分動作に必要なエネルギーが小さくなるためです。
例えばロボットの場合、ボディーをスリム化することで自重が軽くなり、その分、ロボットを動かすために必要なエネルギーも小さくなります。
ちなみに当社のロボットの関節には、当社のサーボモータが使用されているため、サーボモータが小型化されるとロボットの小型化・軽量化にもつながります。
また、ロボットの可搬質量や速度、有効動作領域の向上などによって生産性が向上することで、リードタイムが短縮され、空調などの付帯設備の省エネにも貢献します。

スーパーグリーンプロダクツ認定製品、選ばれた理由は?

当社の環境配慮製品の中でも、特に高い環境性能を発揮するスーパーグリーンプロダクツ。ここからは、直近3年間に認定された製品を一部ご紹介しましょう。各製品の環境配慮ポイントにご注目ください。

・【2021年度認定】コンパクト設計ながら広い動作範囲を持つ小型ロボット

MOTOMAN-GP4
MOTOMAN-GP4

2021年度のスーパーグリーンプロダクツには、ロボット3機種が認定されました。その中の一つであるMOTOMAN-GP4は、スリム化および電源回生機能による省エネ性向上、クラス最高レベルの動作速度、可搬質量を3kgから4kgへアップ、さらには有効動作領域を拡大し、省エネ性も生産性も大きく向上させた点が評価されました。また、コンパクト設計で設備の省スペース化にも貢献します。
MOTOMAN-GP4は、2021年度日刊工業新聞社第51回機械工業デザイン賞も受賞しました。

▶2021年度そのほかの認定製品を見る

・【2020年度認定】ボディーを軽量化した人協働ロボット

MOTOMAN-HC20DT
MOTOMAN-HC20DT

2020年度は近年注目されている人協働ロボットが認定されました。MOTOMAN-HC20DTは可搬質量20kgで重量物の搬送に対応しながらも、ボディーを大幅に軽量化し、省エネ性を向上させた点、防じん・防滴仕様によりメンテナンス性を向上させた点が評価されました。人協働ロボットは、2017年にも可搬質量10kgの機種が認定されています。

▶2020年度の認定製品を見る

・【2019年度認定】常にエネルギー効率を最大化する高機能インバータ

安川インバータGA500
安川インバータGA500

2019年度は、革新的なPMモータ制御を特長とする小型インバータが認定されました。GA500は、モータの消費電力を監視し、電力を最小限に抑えながら、常にエネルギー効率を最大化する性能が評価されました。従来機種に比べて、機械の総合効率を最大6.5%アップ*できます。さらにインバータによる機械の故障予兆診断が可能なことから機械の安定稼働化に貢献します。
当社PMモータ:400V 3.7kW、負荷率25%の場合

▶2019年度そのほかの認定製品を見る

当社のスーパーグリーンプロダクツ、グリーンプロダクツには、他にもサーボやロボットコントローラ、マトリクスコンバータや太陽光発電用パワーコンディショナなど、様々な製品が認定されています。

製品選定の決め手に悩まれた際には、「グリーンプロダクツ」認定製品であるか、またその評価ポイントをご参考にされてみてはいかがでしょうか。CO2削減だけにとどまらない、様々な視点でのメリットを感じていただけるはずです。

▶グリーンプロダクツ認定製品一覧を見る

安川電機の環境への取組み

安川電機では環境への取組みの中で、製品の省エネ、省資源・資源循環、化学物質の適正管理を重点目標として「資材調達」、「製造・販売」のみならず「製品使用」、「再生・廃棄時」を含めたライフサイクル全体での環境負荷削減の取組みを加速しています。

LCA(ライフサイクルアセスメント)を導入したことで、製品ライフサイクル各段階の環境影響を見える化し、課題の明確化とその対策効果の検証が可能になりました。これらの仕組みを活用し、これからも製品ライフサイクル全体で環境負荷をさらに低減していきます。

安川電機の環境への取組み

解説のポイント

  1. 環境意識の高まりとともに、生産現場でも環境負荷を低減できる性能や機能を持つ機器が注目されている。
  2. 安川電機では、製品・サービスを通じた環境貢献の取組みとして「グリーンプロダクツ」という環境に配慮した製品の認定制度を実施している。
  3. 業界最高水準の環境性能を発揮する製品「スーパーグリーンプロダクツ」を導入することで、省スペース化・省資源化・高効率化といった様々なメリットを得ることができる。

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