
装置内にロボットを導入する場合、走行軸などの装置とロボットは別々のコントローラで制御することがほとんどですよね。更なる生産自動化・生産性向上を目指す方にとって、装置とロボットの同期性や精度が気になるところではないでしょうか。そこで今回は、マシンコントローラに装着することで装置とロボットの同期制御を可能にする、ロボットモジュールRM100の特長や効果についてご紹介していきましょう。
ロボットモジュールRM100で装置とロボットの同期制御が可能に
RM100は、マシンコントローラMP3300に装着するロボットモジュールです。MP3300とRM100を使用することで、装置内のサーボ・I/O機器はもちろん、これまでは別途ロボットコントローラが必要だったロボットも含めて全体を一括制御できるようになります。
例えば下記図のように、走行軸上で移動しながらパーツをハンドリングし、組み立てるロボットを導入するとしましょう。この場合、マシンコントローラにRM100を装着することで、ロボットを移動させるXY軸とロボットの同期制御が可能になります。
加工機・工作機、組立、搬送、包装など、装置とロボットの高い同期性とスループットの向上が求められる様々な産業機械に最適です。

マシンコントローラにRM100を組み合わせることで、様々な産業機械(装置)の中で、ロボットをその一部として構成・制御することができるというわけですね。
RM100を使うと、装置内の自動化はどう進化する?
マシンコントローラで制御していた装置とロボットコントローラで制御していたロボットの一括制御を可能にするMP3300とRM100の組み合わせ。RM100を導入することで生産ラインはどう変わるのか、その特長と効果を見ていきましょう。
① 装置とロボットの高精度連携・タクトタイム短縮
マシンコントローラMP3300とRM100は高速なシステムバスで接続されており、装置とロボットの高精度な連携が可能になります。別々のコントローラで制御する場合に発生する誤差がなくなるため、タクトタイムを短縮でき、生産性向上につながります。
下の動画では、実際にMP3300とRM100による装置とロボットの同期制御の様子をご覧いただけます。
▼デモ機動画を見る
※動画内のデモ機で使用されているMotoMINIは今後対応予定です。
② お客様自身で設計したロボットも簡単制御
作業や装置に最適なロボットをご自身で設計されている方もいらっしゃいますよね。RM100は安川電機のロボットだけでなく、お客様で設計した6軸垂直多関節ロボットも制御することができます。お客様設定のロボットに最適な容量のサーボドライブは、安川電機のACサーボドライブΣ -7シリーズの豊富なラインアップの中からお選びいただけます。
お客様開発のロボットのセットアップを簡単に行えるサポートツールも充実しています。新たに開発したコンフィグレーションツールRM-Configは、機構パラメータを簡単に設定でき、制御パラメータをオートチューニング。お客様開発ロボットのセットアップ時間を大幅に短縮できます。
また、サーボドライブ、インバータ、I/O機器、ロボットも一括エンジニアリングできるシステム統合エンジニアリングツールMPE720(ver7.45以降)も準備しています。新しいプログラミング言語を習得しなくても、ロボットのプログラミングが可能です。

これから初めて装置内にロボットを導入されるという方でも、安心してセットアップやプログラミングを行っていただけるのではないでしょうか。
③ RM100を通じてデータの一元化も可能に 視える化・予防保全にも取り組める!
生産ラインの更なる生産性向上、効率化のためには、視える化や故障予知にも取り組みたいですよね。MP3300とRM100を組み合わせて装置とロボットを一括制御することで、ロボットを含めた各機器のデータを、時系列を合わせて一元管理できます。
エッジシステムのYASKAWA Cockpitでシステム全体を視える化できるため、トラブルシュートや予防保全、稼働状況の把握がより簡単に行えます。また、上位システムによるデータ活用で、蓄積されたデータから部品の故障予知などの分析も可能になります。
装置とロボットの一括制御を実現するMP3300とロボットモジュールRM100の組み合わせは、更なる生産自動化と生産性向上に貢献する、安川電機の新たなソリューションです。RM100の対応ロボットやシステム構成など、詳細はお気軽にお問い合わせくださいね。

解説のポイント
- ロボットモジュールRM100をマシンコントローラに装着し、装置とロボットを同期制御できる。
- 同期制御による高精度連携でタクトタイムを短縮でき、更なる生産性向上に貢献
- お客様設計のロボットの制御や、保全性向上の取り組みにも対応できる。