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2018.01.16

EV時代の車載電池 市場動向や生産効率化の方法は?

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最近よく耳にする“車載電池”。注目されている理由って?

今、ヨーロッパや中国を中心に従来のガソリン車やディーゼル車から電気自動車(EV)へ移行する“EVシフト”が加速しています。それに伴い車載電池の需要が高まっているんです。車載電池をとりまく市場の動向や、製造工程の生産性向上について解説していきましょう。

ドイツでは2030年にガソリン車の新車販売が禁止に

車載電池の需要の高まりに大きく関係している“EVシフト”。欧州では特に活発で、ドイツは2030年から、イギリスとフランスは2040年から内燃機関車(ガソリン車やディーゼル車など)の新車販売を禁止する政策を打ち出しています。また、中国でもさまざまなEV普及策を展開し、急速なEVシフトが進んでいます。

こうした世界的な潮流の中で、日本の自動車部品製造メーカの中には、EV向けに事業転換をしようと動き出した企業もあるといいます。

2025年、EV向け車載電池の市場は7倍に拡大!

次世代環境自動車向け二次電池の世界市場

※EVはマイクロEVを含む。HV・PHVはトラック・バスを含む
出典:富士経済の調査資料を基に当社作成

EVは電池で電動モータを駆動させて走ります。この車載電池には充電して繰り返し使える二次電池が使われており、世界的な電池市場の拡大を牽引する存在になっています。

EV(電気自動車)、HV(ハイブリッド車)、PHV(プラグインハイブリッド電気自動車)などの次世代環境自動車向け二次電池の世界市場は年々伸び続け、2016年の市場規模は1兆4260億円に。2025年には4.6倍の6兆6138億円になると予測されています。

中でも特にEV向けは伸びが大きく、2025年には2016年比7.0倍の3兆9317億円になる予測です。

車載電池に求められる高容量・高密度・安全性

現在、車載電池はリチウムイオン二次電池が主流です。1991年に日本で生まれたリチウムイオン二次電池は、電解液の中で正極と負極の間をリチウムイオンが移動し充放電を行う仕組み。エネルギー密度が高く容量が大きいことから普及が進みました。

これまではスマホなどに使われる小型民生用の需要が高かったものの、現在は車載向けの大型の引き合いが強まっています。同電池市場のメーカシェアでは日本企業も上位に食い込んでいますが、国を挙げてEVシフトを急速に推し進める中国のメーカが存在感を見せている状況です。

一方、リチウムイオン二次電池は液漏れによる発火などの事故も起きており、より安全な電池を求める声が高まっています。そこで次世代電池として注目を浴びているのが、高容量・高密度の「全固体電池(リチウムイオン全固体電池)」です。

全固体電池は、電解質を含む部材のすべてを固体で構成した電池のこと。液体ではないため低温でも凍結しない・高温でもガス化しないことが特長です。安全性が期待されるほか、積層によって大容量化も可能になります。

開発コストが課題のひとつですが、現在電池メーカだけでなく、自動車や部材メーカなども開発を急いでおり、2020年頃には市販される見通しが立ってきました。

エネルギー密度が大きい=一充電あたりの走行距離が伸びるということなので、密度の大きさは重要。さらに、衝撃に対する耐久性や安全性も求められているんですね。車載電池の性能がEVの売り上げを左右するとも言われているんですよ。

車載電池製造、生産性向上・高精度化の方法は?

“EVシフト”に伴い、競争が激化する電池製造市場。高性能で安全性の高い車載電池製造が期待される中、電池製造の現場には生産性の向上や高精度化が求められそうです。
ここからは、現在主流のリチウムイオン電池の製造工程を例に、安川電機の製品を使ったソリューションを解説していきましょう。

  1. ①装置の信頼性をUPさせたい

    リチウムイオン電池の製造工程には、活物質溶液などを攪拌装置でペースト状にする工程、電池の大きさや形に合わせてスリッタ装置で電極を裁断する工程があります。
    こうした定トルク特性の機械を使う工程には、IPMモータの適用によりエンコーダレスで高始動トルクを実現できるインバータGA700が役立ちます。エンコーダがないため信頼性が向上します。
    また、従来製品に比べて運転範囲を一挙に拡大でき、生産性向上にもつながります。

    【あわせて読みたい】高効率モータ対応インバータ 「GA700」はここがスゴい

  2. ②高速&精密に位置決めしたい

    電解液をケースに注入する工程、注入後にレーザ溶接機でケースを封口する工程などでは、安全性を高めるため、高速かつ正確な位置決めが肝になります。
    マシンビジョンシステムMYVIS YV260は、500万画素のデジタル高解像度に対応し、位置検出精度が4倍向上。位置検出処理時間を大幅に短縮できます。また、位置補正のリトライをせずに正確な位置合わせを行います。

  3. ③高速&精密な制御をしたい

    上記の工程を含む多くの工程で、超高速・超精密な制御が重要です。サーボドライブΣ-7シリーズは高速回転、高加減速性、高精度の位置制御に貢献できます。滑らかな駆動、振動抑制機能も強化されています。

    また、マシンコントローラMP3300はサーボやインバータと高速な同期通信が可能で、多軸同時制御に優れています。電池製造装置のスピンコータやディスペンサにお使いいただけます。

安川電機はこれらの製品で、高容量・高密度かつ、より安全な車載電池の製造・開発に貢献していきます。各製品の詳細な特長や仕様については、ぜひ製品ページをご覧下さいね。

解説のポイント

  1. 世界的な“EVシフト”により車載電池市場が加速度的に拡大している。
  2. 車載電池はリチウムイオン二次電池が主流だが、安全性の面から全固体電池の開発も進んでいる。
  3. 安川電機の製品が製造工程の生産性向上や高精度化に貢献できる。

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