
確かにコントローラを導入するとき、これまでは配線や選定などのシステム構築が一つの壁になっていましたね。そのため「コントローラは高機能すぎてうちの工場には必要ない」と思われる方も少なくないようです。今回はそのような方でも導入を検討しやすい、コントローラとサーボパックが一体化した新発想の製品について解説しましょう。
モータさえあればOK 難しい選定や配線は不要
安川電機は、マシンコントローラ「MP3300」とACサーボドライブ「Σ-7W」を一体化した製品「Σ-7C」を販売しています。2軸サーボパックとコントローラ機能が一体化しているため、あとはモータさえあれば一通り動かすことができるというものです。その特長を見てみましょう。
1. 難しいオプションの選定や配線いらずでシステム構築
装置の制御に必要なI/OやEthernetポートを標準装備しているため、難しいオプションの選定や配線いらずでシステムを構築できます。
2. システムの省スペース化
2軸サーボパックとコントローラ機能が一体化することで、狭い場所にも設置可能に。これまでコントローラの導入を諦めていた小規模な装置や機構の制御にも最適です。
3. 接続が簡単
内蔵しているEthernetはプログラミングがいらず、設定のみで既存のPLCと接続できます。その他の通信もモジュールの追加で対応可能です。
4. タクトタイムを短縮
内部の2軸とコントローラがつながっているため、MECHATROLINKでの通信に比べて指令から応答までの時間が短くなりました。サーボの高速・高精度のモーションを最大限に引き出せます。
フレキシブルなシステム構築が可能に
今、生産現場はものすごいスピードで変化していますよね。装置は多機能化し、人手でやっていた作業もロボット化が進んでいます。変化する工場に対応するためには、「装置のモジュール化」「分散システム化」「コンポーネントの小型化」が不可欠です。
これまで装置を追加する際にはそのたびにPLCソフトと制御盤の見直しが必要でしたが、Σ-7Cならば変更なしで装置追加が可能です。
装置の一部変更やラインに組込まれている装置の一つを変更する場合など、ソフト設計の負担を軽減することが可能になります。

既存の装置への適用事例では、ワイヤハーネスの製造装置にワーク交換ユニットを追加したいというお客様に採用されました。その決め手はシンプルでコンパクトなこと。将来的に軸を追加するなど機能拡張があった場合でも対応可能なことが大きかったようですね。
メンテナンスの手間も省ける!
ちなみに、使い勝手が変わる心配はありません。逆に、コントローラ機能部のバッテリをなくし“バッテリレス化”したため、メンテナンスの手間が省けるようになりました。不揮発性メモリを採用しバックアップ電源をなくしたことで、定期的なバッテリ交換が不要になったのです。
Σ-7CはΣ-7シリーズの仲間ですから、Σ-7の業界最高性能やオリジナルの性能も詰め込まれています。Σ-7モータは従来比80%小型化し、速度周波数応答は3.1kHzで世界最高です。調整が不要の調整レス機能もユニークですね。最大で30倍の負荷まで発振せずにシャキシャキ動き、動作中に負荷が変わっても安定して動作を続けます。
めまぐるしく変わる生産現場に対応できる、コントローラ内蔵2軸一体Σ-7Cモデル。これまでコントローラの導入をためらっていた方も、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

解説のポイント
1.コントローラの導入にはこれまでは配線や選定などのシステム構築が一つの壁になっていた
2.Σ-7Cモデルはコントローラとサーボパックが一体化し、面倒な配線や選定が不要
3.装置追加も簡単&シンプル。フレキシブルなシステム構築にすぐ対応できる!