
自動化・効率化が進む製造業や物流業界。自動倉庫などではスタッカクレーンが活躍しています。スピードと正確さが求められる中、スタッカクレーンは、受入れ・払出しを迅速かつ適切なタイミングで行うために、タクトタイムの短縮が重要です。安川電機はクレーン専用のインバータCR700を基にした、スタッカクレーン用途特化のインバータをご用意しています。今回は、タクトタイム短縮を実現する様々なソリューションをご紹介します。
「荷振れ抑制」によりマストの振れを最小限に抑える
スタッカクレーンには無駄のない効率的な動作が求められ、特に移動中に発生するマストの振れをいかに最小化できるかが重要です。
スタッカクレーンのマストの振れは、加減速する際に生じます。スタッカクレーン用途に特化したインバータでは、加減速時間を延ばすことなくマストの振れを抑制します。この「荷振れ抑制」により、振れ幅や振れ時間を最小限に抑え、タクトタイムを短縮できます。
「クリープレス位置制御」で、正確かつスピーディーに停止
スタッカクレーンは、スピーディーさも必要ですが、決められた位置で正確に停止することも重要です。
一般的なインバータ制御では、停止位置精度を確保するためにクリープ速度で運転したのち停止します。これに対し、スタッカクレーン用途のインバータでは、与えられた停止位置情報に対して最適な運転速度と加減速レートで位置決め運転を行うため、クリープレスで停止することができます。
これにより、停止位置の正確さとタクトタイム短縮を両立します。
「軽負荷増速運転」荷重に応じた最適な速度で運転
従来のインバータでは「荷あり/荷なし」の2段階速であったため、荷重が軽い場合でも、低速での運転が一般的でした。
これに対しスタッカクレーン用途のインバータでは、荷重に応じた最適な速度で運転することが可能です。

- 軽負荷増速運転では、荷重が軽い場合は高速で運転し、重い場合は低速で運転します。荷物の重さに合わせた最適な速度で運転するため、荷物の種類や搬送条件が多様な現場においてもタクトタイムを短縮できるんですよ。
搬送用途に合わせた高精度な位置制御
スタッカクレーンなどの位置制御をする場合、PG付モータを使用するのが一般的ですが、スタッカクレーン用途のインバータでは、レーザー測長方式を採用し、位置を検出しながら運転・停止します。例えば、走行中のスタッカクレーンの台車部分からレーザーを出し、反射板との距離を測長するといった方法も可能です。
測定方法は、バーコード方式にも対応しており、いずれも高精度な距離制御が可能です。
クレーン専用インバータCR700で課題を解決
今回は、クレーン専用インバータCR700を基にしたスタッカクレーン用途特化のインバータによる、タクトタイム短縮のソリューションをご紹介しました。CR700、スタッカクレーン用途のインバータにご興味をお持ちの方は、お問い合わせページからぜひお気軽にご相談ください。
※これまでにお取引のあるお客さまは、拡販パートナ(代理店)へお問い合わせください。

解説のポイント
- 自動倉庫などで活躍するスタッカクレーン。受入れ・払出しを迅速かつ適切なタイミングで行うためには、タクトタイムの短縮が重要。
- クレーン専用のインバータCR700を基にしたスタッカクレーン用途のインバータでは、荷振れ抑制により、加減速時間を延ばさず、マストの振れを最小限に抑える。
- 荷重に応じてインバータが最適な速度で運転する軽負荷増速運転により、更なるタクトタイム短縮が可能。