人協働ロボットとは?

人協働ロボットとは、安全のために柵で隔離する必要がなく、人と同じスペースを共有しながら
一緒に作業できるよう設計されているロボットです。
従来の産業用ロボットは、人が行うには困難であったり、危険であったりする作業に多く用いられています。
一方、人協働ロボットは、同じ空間で働く人の安全を考慮した様々な設計により、
人と一緒に作業ができるようになっています。

従来の産業用ロボット

  • 人が行うには困難・危険な作業に用いられる
  • 頑強で動くスピードが速く、生み出す力も強い
  • 人と接触すれば大事故となるため、安全柵などで人と隔離されている
従来の産業用ロボット

人協働ロボット

  • 人と一緒の空間で行う作業に用いられる
  • 人と接触したらすぐに停止する、動くスピードを一定以下に抑制するといった人の安全を考慮した様々な設計がされている
  • 人と接触しても安全が確保できるようになっているため、隔離する必要がない
人協働ロボット

人協働ロボットの基礎知識

これまでロボット導入には高いハードルが

産業用ロボットと聞くと、自動車工場での溶接や塗装などで使われているシーンを思い浮かべる方が多いと思います。しかし最近は、自動車や電子部品以外でも、物流や食品工場をはじめ、医薬品、化粧品、家電組立、建設業界など多くの分野でロボットが使われるようになってきました。近年は世界中の製造現場での人手不足が深刻な問題となっており、ロボットを使用した自動化がますます求められてきています。また、これまではロボットに単純な作業を繰り返し行わせることが主流でしたが、最近は1台のロボットに複数の仕事をさせるなど、使い方のニーズが多様化しています。

従来の使われ方では、ロボットを人の作業とは切り離して安全柵で囲んだ環境に設置する必要がありました。それに伴い、人が入らない広いスペースの確保や設置費用の負担増、専門のエンジニアがいないといった理由から、中小企業がロボットを導入するには多くの面で高いハードルがありました。

人と協働できるロボットの登場

2013年に労働安全衛生規則が改定*1され、安全柵なしでロボットを設置することが可能になりました。これに加え、ロボット技術の進歩によって、本体にトルクセンサーを組み込むなど人に対する安全性を確保できるようになったことから、限られたスペースでも人と協働した作業ができる人協働ロボットの開発が進んできました。今では、多くのロボットメーカーから人協働ロボットが販売されています。

人協働ロボットは、サイズが人の背丈くらいで可搬質量が10kgの標準的なタイプを基本に、30kgまで持てる大型のサイズから、可搬質量5kgほどの小型で小回りのきくものまで、設置する場所や自動化させたい工程に合わせて選ぶことができるようになっています。最近では製造現場で使用されているロボットのうち、およそ20台に1台*2は人協働ロボットが採用されており、業界全体で導入が進んでいます。

人協働ロボットは、ロボット操作が初めての方でも使い勝手が良く、直観的に使用できるよう、ロボット本体だけでなく機能面でも開発が進んでいます。 例えば、ロボットに動きを伝えるための操作機器「プログラミングペンダント」がタブレット端末のように操作できるようになっている、ロボット本体を直接手でホールドして上下左右自由に動かすことで簡単に扱える「ダイレクトティーチング機能」を備えている、ロボットアームの隙間に指が挟まれない「挟み込み防止設計」が施されているなど、ロボット操作に不慣れな人でも操作しやすく工夫された製品が数多く誕生しています。

また、ロボット本体の手首から先にあたるグリッパーや吸着ハンドなどのエンドツールが交換しやすい工夫も進んでいます。安川電機でも「YASKAWA Plug&Play Kit」として様々なメーカーと協同で周辺機器の開発を行っています。

こうした人協働ロボットの登場により、今までロボットの導入が難しかった製造現場や工程でも、人と一緒に様々な作業ができるようになりました。

<例>
●部品の組立て・ねじ締め・検査
●金属加工工場での板金プレス作業
●工作機械からの製品の出し入れ
●食品工場でのロボットから人への製品の受渡し
など…

*1 2013年12月24付 基発1224第2号通達
(注)安全柵なしで設置する場合には別途リスクアセスメントが必要です
*2 出典:IFR,「Press Conference World Robotics 2021」(2021年10月28日), 12頁

安川電機の人協働ロボット

安川電機の人協働ロボットMOTOMAN-HCシリーズは、可搬質量が10kg / 20kg / 30kgのタイプをラインアップし、使い勝手を高めた仕様や機能を盛り込んでいます。

例えば、ロボット本体をそのまま洗うことができる防じん・防滴仕様、塗装片の発生を避けるためアーム表面に塗料を使わず特殊表面処理を施したモデル、直接アームをもって軌跡生成(パスプランニング)する機能や人との接触による危害を最小限に抑える安全機能など、お客様のご要望にお応えできる様々な仕様を備えています。
さらに、簡単に移動と設置が可能な台車と組み合わせたハンドキャリータイプは、生産計画の変化やラインのレイアウト変更時にも、必要な場所へ簡単に設置することができます。

MOTOMAN-HCシリーズは、人とロボットが協働することで新たなものづくりの可能性を広げていきます。

MOTOMAN-HC10DTP

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