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豆大福が大好きな通称"豆大福先生"が
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リモートI/O活用による
柔軟性を備えた
データ収集システムの構築

2022.09.27

豆大福先生への質問豆大福先生への質問

生産性向上や安定稼働に役立てるため、まずはデータを収集したいのですが
データ収集に必要なセンサーが増えると、配線やノイズの心配があります。
様々なデータを効率よく収集できる仕組みを、簡単に作れませんか?


豆大福先生

デジタル技術を活用し効率的かつ安定した生産を目指す“スマートファクトリー”化を検討されているようですね。工場や生産設備から生み出されるデータを活用し、生産活動を改善していくためには、まず「データの収集」が必須です。効率よく安定的に収集することが課題になります。今回は、そうしたデータ収集のシステム構築に役立つ、「リモートI/O」の基礎知識や製品の特長、構成例をご紹介します。


「データ活用で生産性向上を目指す」その前にやるべきこと

「データ活用で生産性向上を目指す」その前にやるべきこと

ものづくりの現場では、人手不足や少子高齢化などの課題解決に向け、自動化だけではなくIoTやAIの導入によって工場や生産設備の可視化・データの分析を行い、生産性の向上や品質の安定を実現するいわゆる”スマートファクトリー”化が加速しています。

機械・設備を実際に稼働させた際に生み出されるデジタルデータを活用することで、生産性の向上、高い品質の確保、設備の異常予兆検知などにより止まらないラインの実現につながります。このような“価値のあるデータ”を十分に活かすために重要なのは、データを効率よく安定的に収集できるシステムを構築することです。

こうした課題に対し安川電機では、工場などでのデジタルデータの取得に必要となる各種通信ネットワークに対応し、お客様の用途に合わせたデータ収集に貢献するリモートI/O製品「SLIO I/Oシリーズ」を発売しました。

「データ活用で生産性向上を目指す」その前にやるべきこと

リモートI/Oを使用するメリットは?

通信ネットワークを使用しない場合、入出力の信号それぞれに対して1本ずつ配線が必要で、配線作業や保守作業が煩雑になります。一方、リモートI/Oの場合は複数の信号を1本のケーブルでまとめることができるため、設置・保守作業がシンプルになります。

また、デジタルデータでやりとりを行うため通信ノイズが削減できる点も特長です。

リモートI/Oは、上位コントローラやパソコンなどの機器と接続し、通信ネットワークを介して遠隔でデータを入出力(送受信)できます。そのため工場や生産設備で生み出されるデータをリアルタイムかつ効率的に収集することができます。

データ収集に欠かせない柔軟なシステム構築を簡単に!「SLIO I/Oシリーズ」でできること

データ収集に欠かせない柔軟なシステム構築を簡単に!「SLIO I/Oシリーズ」でできること

安川電機の「SLIO I/Oシリーズ」は、各種通信ネットワーク(MECHATROLINK、EtherNet/IP、PROFIBUS、EtherCATなど)に接続して使用できる、コンパクトな形状のリモートI/O製品です。ネットワークに接続するためのバスカプラ*1は、最大64個のモジュールの取り付けが可能で、用途に合わせて柔軟なシステムを構築できます。
*1:リモートI/O製品を各種ネットワークに接続するための専用モジュール

特長を詳しくご紹介しましょう。

①90種類を超えるモジュールラインアップによってI/Oシステムを簡単に構築

90種類を超える幅広いモジュールラインアップにより、柔軟なシステム構築が簡単に行えます。ネットワークに接続するためのバスカプラには、最大64個のモジュールを取り付けることができます。

主要モジュールのラインアップには、ネットワークに接続するためのバスカプラ、電源モジュール、カウンタ、SSIなどのほか、デジタル入出力(2,4,8,16点)やアナログ入出力(2,4,8チャネル)モジュールなどがあります。

MECHATROLINK、EtherNet/IP、PROFIBUS、EtherCATなど各種ネットワークに対応したバスカプラがあり、様々なネットワークのリモートI/Oとして使用できます。
YRM-ⅩコントローラやMP3000シリーズとの組合せはもちろん、既設の上位コントローラやパソコンなどと組み合わせて幅広く使用することができます。

90種類を超えるモジュールラインアップで、I/Oシステムを簡単に構築

90種類を超えるモジュールラインアップで、I/Oシステムを簡単に構築

②省スペース化を実現する接続機能&設置や保守点検が容易

スクリューレスターミナルや階段形状配線で省スペース化を実現できます。組立てにおいて、ねじや専用工具が不要です。さらに、設置・配線後に電子モジュールのみ交換が可能なため、取り外しが容易で保守性が高く、迅速なメンテナンスが可能です。

省スペース化を実現する接続機能&設置や保守点検が容易

SLIO I/Oシリーズを使った構成例

豊富なモジュールラインアップと各種通信ネットワークへの対応、そして作業性の良い構造でスペースと時間を節約できるSLIO I/Oシリーズ。最後に、SLIO I/Oシリーズを使用した構成例をご紹介します。

1. 基本形

バスカプラには最大64個のモジュールを取り付けることが可能です。バスカプラは動力部電源として10A、電子部電源として3Aを供給できます。この電源容量を超える場合は、電源モジュールを使用します。

基本形

2. ラインを拡張する場合

ライン拡張モジュールを使用すれば1つの配線を最大5系統に分割できます。ライン拡張モジュール(スレーブ)はモジュール1個とカウントされます。

ラインを拡張する場合

SLIO I/Oシリーズでデータ収集をもっと効率的に!

リモートI/Oは、上位装置とネットワークで接続されることでノイズに強く、SLIO I/Oシリーズは、90種類を超える豊富な製品ラインアップを揃えつつ、保守性にも優れています。スマートファクトリー化に必要なデータ収集のシステム構築を、より簡単に行うためのリモートI/O製品です。SLIO I/Oシリーズによるシステム構築や、収集したデータの活用事例などにご興味をお持ちの際は、ぜひ以下のお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。また、「データ収集を始めたいが方法が分からない」といったお問い合わせも大歓迎です。

解説のポイント

  1. 工場や生産設備から生み出されるデジタルデータを活用し、生産活動を改善するためには、データを効率的に収集するシステム構築が重要。
  2. リモートI/O製品は、通信ネットワークを利用し数多くのデータをリアルタイムに収集するために役立つ。省配線化や通信ノイズ削減のメリットも。
  3. 安川電機では「SLIO I/Oシリーズ」を発売。各種ネットワークに対応し、用途に合わせた柔軟なシステムを簡単に構築できる。

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