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電気料金削減、災害時の備えにも!
今注目の「自家消費型太陽光発電」とは?
3つのメリットと導入事例を紹介

2023.01.16

豆大福先生への質問豆大福先生への質問

太陽光発電といえば「発電した電気を売る」ことだと思っていましたが、
最近は自分たちで使う方が注目されていると聞きました。
導入するメリットや導入の事例を知りたいです。


豆大福先生

太陽光発電で発電した電気を「売る」のではなく「自分たちで使う」、「自家消費型太陽光発電」のことですね。最近では「売る」より「使う」方が、経済的・社会的メリットが大きいとして注目を集めています。今回は、自家消費型太陽光発電が注目されている理由や、導入の3つのメリットを解説し、実際に導入されたシステムの事例もご紹介します。


自家消費型太陽光発電とは?

自家消費型太陽光発電とは、自らの発電システムで発電した電気を電力会社に売らずに、すべて自分たちで消費する仕組みです。自社の工場や施設の屋上や用地に太陽電池を設置し、発電した電気を施設内で消費します。

自家消費型太陽光発電とは?
※余剰電力は売電することもできます。

自家消費型太陽光発電は、CO2削減や電気料金削減に貢献できることはもちろん、災害など非常時の備えにもなることから、ESG*1やBCP*2の観点から、導入を進める企業が増えています。

導入の見通しは?国は2030年までに10GW導入を目指す

自家消費型太陽光発電は、再生可能エネルギーの普及を目指す国としても、導入を後押ししています。民間企業における自家消費型太陽光発電の導入を促進し、2030年度までに少なくとも10GWの導入を見込んでいます。また、脱炭素地域社会の実現、地域のレジリエンス向上を目指し、地方自治体の導入も進められています。

*1 ESG:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字から取った言葉で、企業の長期的な成長のために重要な3つの観点のこと。
*2 BCP(事業継続計画):企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと

自家消費型太陽光発電が注目されている理由とは?

自家消費型太陽光発電が注目され導入事例が増えている背景としては、以下のような課題が考えられます。

自家消費型太陽光発電が注目されている理由とは?

1.カーボンニュートラルの機運の高まり

CO2(二酸化炭素)をはじめとする温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」。政府による「2050年カーボンニュートラル宣言」や、「2030年に温室効果ガス46%削減」の目標発表などにより、国内でも各企業の取組みが注目されている。
▶カーボンニュートラルとは?温室効果ガス排出量“実質ゼロ”ってどういうこと?

1.カーボンニュートラルの機運の高まり

2.買取価格の低下と“卒FIT”

2012年に始まったFIT(固定価格買取制度)の買取価格が年々低下し、2019年度には産業用電気代を下回る価格レベルに。
また、10kW未満では、法律に基づく固定価格での売電期間(10年)が終了した“卒FIT”が始まっており、その後も売電は可能だが売電価格は大幅に低下していることも、自家消費が注目される理由の一つになっている。

2.買取価格の低下と“卒FIT”

(図)買取価格と産業用電気代の推移

∗出典:経済産業省資源エネルギー庁,「なっとく!再生可能エネルギー 固定買い取り価格制度」「日本のエネルギー エネルギーの今を知る10の質問」などの資料を基に当社作成

3.電気料金の高騰

原油価格の高騰や不安定な国際情勢の影響により、電気料金は高止まりの状況。今後の料金の変動リスクへの対応も必要。

4.自然災害などの多発

近年の自然災害の増加やBCP(事業継続計画)の観点から、非常時にも電源を確保できるシステム構築が必要とされている。

これらの課題にひとつでも気になる点がある場合には、自家消費型太陽光発電を導入するメリットを感じられるはずですよ。

自家消費型太陽光発電、3つの導入メリット

自家消費型太陽光発電、3つの導入メリット

1.CO2削減に貢献できる!

世界的なカーボンニュートラルへの機運が高まる中、SDGsの観点からも国内外の企業が様々なCO2削減に取り組んでいます。CO2削減はもちろんのこと、SDGs企業としてイメージの向上につながります。

2.電気料金を削減できる!

自家発電した分、電力会社から購入する電気量を減らすことができます。自社で電力を賄える割合が増えれば、社会情勢の変化に左右されるリスクを下げることにもつながります。

3.非常時にも電源を確保し、工場を稼働できる!

自家消費型の太陽光発電システムを導入し、さらに蓄電池との併用により災害時でも電源の確保が可能となるため、最低限の工場設備の稼動を継続できます。災害時のレジリエンス(機能回復力)を強化でき、さらに災害時の指定避難所に認定されれば、地域貢献にもつながります。

3.非常時にも電源を確保し、工場を稼働できる!

そのほか、自家消費型太陽光発電を導入することで、節税や補助金などの優遇措置を受けられたり、工場立地法の環境施設として扱われたりするメリットもあります。

デメリットもあるの?

自家消費型太陽光発電のデメリットとしては、
・初期費用が必要
・設備の騒音対策
・環境価値の見える化
・“逆潮流”対策が必要
という点が考えられます。 しかし、自家消費型太陽光発電に適した製品を選ぶことで解決することができます。
こちらのページでは、自家消費型太陽光発電システム導入の課題や注意点、そしてそれらを解決する最適な太陽光発電用パワーコンディショナについて、詳しくご紹介していますよ。

太陽光発電用パワーコンディショナ三相200V級
						Enewell-SOL P3A 25kW

自家消費型太陽光発電システムの導入事例

安川電機でも、自家消費型太陽光発電システムを導入しています。

2021年9月に本格可能した福岡県・北九州市の「安川テクノロジーセンタ」は、CO2削減・非常時の電源確保のため、屋上に自家消費型の太陽光発電システムを導入し、施設での使用電力の一部を賄っています。また、各階には自立運転切替盤を設置し、非常時の電源確保にも備えています。

自家消費型太陽光発電システムの導入事例

自家消費型に適したパワコンを選びましょう

ご紹介した当社の太陽光発電システムには、「自立運転機能」を搭載した当社のパワーコンディショナを使用しています。自家消費型を意識した際、当社の太陽光発電用パワーコンディショナEnewell-SOL P3Aが最適です。
Enewell-SOL P3Aは、自家消費型に特化した三相200V級 25kWのパワーコンディショナです。自家消費型・オンサイトPPAに有効な機能・構造で、課題を解決します。

Enewell-SOL-P3A-25kW.jpg

自家消費型に適したパワコンの特徴

①トランス不要で初期費用を最小化。優れた静音性で安心

200V出力のため、多くの工場や施設で使用されている200Vトランス(変圧器)に、太陽光発電システムを接続することができます。追加のトランスの購入・設置費用が不要で、システム導入にかかる初期費用を最小化。設置面積、重量をスリム化でき、設置や施工の制限を軽減します。
また、重塩害に対応し、優れた静音性を実現。格納箱などが不要でトータルコストも軽減します。200V級では業界最大級の容量25kWを実現し、中規模容量で最適なシステム構成を実現できます。

②自家消費機能を内蔵し、発電電力を最大活用

自家消費制御/自立運転機能を内蔵しており*1、複雑なシステムは不要です。自家消費型太陽光発電システムにおいて設置が必要な「RPR(逆電力継電器)*2」の動作を抑えつつ、発電電力を自家消費へ最大限活用できます。
*1:「多機能型」に標準搭載している機能です。
*2:太陽光発電システムから電力会社の送電線(系統)に流れていく「逆潮流」が発生した場合に、発電を停止するための機器

③クラウドサービスを使い、遠隔から簡単監視・操作

自家消費型太陽光発電システム導入後の簡単保守・安心サポートをご提供します。
クラウド(オプション)を使い、お客様がスマホやタブレット、PC等から遠隔で簡単監視/ 操作できます。発電や異常履歴の確認・管理、発電状況のリアルタイム表示、パワコンの遠隔操作が可能です。
国内サーバを使い、安定かつ安心して運用できます。

メリットがたくさん!自家消費型太陽光発電を検討してみませんか?

メリットがたくさん!自家消費型太陽光発電を検討してみませんか?

自家消費型太陽光発電は、環境の面でも経営の面でも様々なメリットがあります。是非、導入を検討されてみてはいかがでしょうか?

自家消費型の太陽光発電システムの詳細や導入の方法、「自分の会社や工場にも設置できる?」「どれくらいの広さが必要?」といった疑問がございましたら、このページのフォームや、特設サイトからお気軽にお問い合わせください。

太陽光発電用パワーコンディショナ三相200V級
				Enewell-SOL P3A 25kW

解説のポイント

  1. 自らの発電システムで発電した電気を電力会社に売らずに、すべて自分たちで消費する「自家消費型太陽光発電」が注目されている。
  2. 電気を取り巻く不安定な社会情勢や経済的な課題に対して、自家消費型太陽光発電導入によるCO2削減や電気料金削減、非常時の電源確保といったメリットが注目の理由。
  3. 安川電機でも自社施設に自家消費型太陽光発電を導入。自家消費型に最適なパワーコンディショナを展開している。

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