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2019.01.17

高圧・特別高圧太陽光発電システムのコストを削減するには?

豆大福先生への質問豆大福先生への質問

高圧・特別高圧太陽光発電システムを導入したいのですが、
システム費や施工費、メンテナンス費がかさみそう…。
コストを削減する方法はありませんか?

国内外で、化石燃料系電源に代わる主力電源として太陽光発電が存在感を増しています。一方、発電システムの導入コスト・ランニングコストが気になるところでもありますね。今回は、安川電機のパワーコンディショナXGI1000 65kWを紹介しながら、太陽光発電システムのトータルコストを低減するソリューションを解説しましょう。

太陽光発電を主要電源に 発電コストの低減が導入のカギ

近年、世界の再生可能エネルギー電源向け投資額は、従来の化石燃料系電源への投資額を上回っています。中でも太陽光発電システムの年間導入容量は2017年に世界全体でおよそ100GWに届き、主要電源としての存在感を強めています。

日本では2018年7月3日に政府により「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定されました。そこで掲げられた再生可能エネルギーの主力電源化政策において、太陽光発電は中核電源として中期的に高い導入水準が維持される見通しとなっています。
その中心となる市場セグメントは、産業用高圧および発電事業者用特別高圧セグメントです。

ところで、電力の低圧・高圧・特別高圧の違いって?
基本をおさらいしましょう。電圧の区分はこのように規定されています。

低圧:交流電圧は600V以下、直流電圧は750V以下のもの。発電設備の出力は50kW未満。
高圧:交流電圧は600V~ 7000V、直流電圧は750V~7000Vのもの。発電設備の出力は50kW以上2000kW未満。
特別高圧:交流電圧・直流電圧ともに7000Vを超えるもの。発電設備の出力は2000kW以上。

低圧電力は家庭や飲食店、小規模工場などが契約しています。高圧電力は主に産業用で、大規模工場や商業施設、ビルなどが契約しています。

太陽光発電の主力電源化には、発電にかかるトータルコストの低減がカギとなります。太陽光発電システムのキーコンポーネントとして、太陽光発電パワーコンディショナ(以下、パワコン)にもこうしたコスト低減に寄与することが求められる中、安川電機は産業用高圧および発電事業者用特別高圧案件向け分散型ソリューションとして以下のコンセプトをもとに太陽光発電パワコンXGI1000 65kW を開発しました。

■XGI1000 65kW開発コンセプト
1.システム費低減
パワコンだけでなく、BOS(周辺機器)まで含めた機器費の低減
2.施工費低減
据付、工事、パラメータ設定までを含めた関連工程の工数削減
3.O&M(運転および保守)費用低減
ダウンタイム低減、経験豊富な技術者によるYASKAWAコンタクトセンタ対応と充実したサービスネットワーク

この3つのコンセプトに沿って、XGI1000 65kWの特長とコスト低減ソリューションを解説していきましょう。

システム費を削減するには? 高出力パワコンで設置台数を減らす!

XGI1000 65kWは、1000VDC級の分散型パワコンとしてトップクラスの65kW出力容量を実現しています。高出力のためリスクを分散しながらパワコンの台数を削減でき、設置や設定時間、設置スペースも削減可能です。
33kW出力容量のパワコンに比べ、台数・設置時間を1/2に抑えられます(図1)。また、台数削減に伴って、交流集電箱などのBOS(周辺機器)費用も削減できます。

図1

施工費を削減するには? Wi-Fiで全パワコンを一括設定!

複数台のパワコンを設置する場合、各パワコンの場所まで移動して1台ずつ設定するには時間と工数がかかりますよね。
XGI1000 65kW はWi-Fiを内蔵しているため、スマートデバイスからアプリを使わずパワコンと通信、操作が可能です。1台で設定した内容を全てのパワコンに反映できるほか、手元での簡易モニタリング、パネル監視などが可能になるため、移動や設定の工数が減り、施工費の低減につながります。

O&M費用を削減するには? 故障の可能性を推測し点検を効率化

XGI1000 65kWには 4つのMPPTを搭載しています。1MPPT毎に接続パネルの合計電圧と電流をモニタリングし、接続する太陽電池の設置環境や日射量からきめ細かく最適化制御を行い、最大出力電力を確保します。
さらに各MPPT(エリア)毎に接続パネルの合計電圧と電流をモニタリングすることで、データ比較時に故障の可能性があるパネルのエリアを絞り込みやすくなります。全てのパネルを点検する必要がなくなり、点検時間や費用を削減できます。

∗MPPT:Maximum power point trackerの略。最大電力追従制御。太陽電池から電力が最大となる出力電圧で電流を取り出すための太陽光パワコン制御機能。

また、XGI1000 65kWは上部に電子部品、下部に配線を集中した分離構造を採用しています。作業員2人で荷下ろし、運搬、据付が可能な取り回しの良さに加えて、運転開始後に万が一ユニット交換が必要になった場合でも、ケーブルの結線を解かずに上部のみ交換してすぐに復旧できるメリットもあります。

今後主力電源化が求められる再生可能エネルギー。安川電機は、太陽光発電パワコンXGI1000 65kWでトータルコスト低減に貢献し、市場の期待にお応えしていきます。製品の詳細や導入については、是非お気軽にお問い合わせくださいね。

解説のポイント

  1. 再生可能エネルギーの中でも、主要電源としての太陽光発電の存在感が強まっている。
  2. 安川電機の太陽光発電パワコンXGI1000 65kWは、発電のトータルコスト削減がコンセプト
  3. システム費、施工費、O&M費のコスト削減に貢献する機能が搭載されている。

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