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2007年8月27日号
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1980年代から盛んに製造されている産業用ロボットは、単純作業の繰り返しや劣悪な環境下での作業から人間を解放してきました。そして、最近では介護や医療・福祉の分野にもロボットの役割は広がってきています。 |
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安川電機では2003年から医療・福祉の分野においてリハビリテーション用のロボットTEM LX2を提供しています。
これは、脳卒中をはじめとする脳血管疾患患者など、運動機能に障害をもつ方がベッドに寝たまま機能回復訓練を行うことができるシステムで、理学療法士などリハビリテーションの専門家がよく使用する下肢運動パターンを内蔵しており、対象者の脚の長さに応じて関節を動かしてくれます。
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九州大学医学部附属病院において、患者の麻痺した脚に対して看護師が短時間に実施したリハビリテーションよりも患者の家族の長時間のマッサージの方が有効なケースがありました。
しかし、ICUでの長時間のリハビリテーションは看護力不足のため困難です。そこで、機械によるリハビリテーションの方向が模索されていました。ちょうどその時期に、安川電機から話をしたことがきっかけとなり、TEM LX2を九州大学医学部附属病院と安川電機で共同開発することとなりました。
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病院でのリハビリテーションは、理学療法士の数からも物理的限界があります。
「さあ、リハビリテーションでがんばってよくなるぞ!」と思っても、自分で体を動かすことのできない患者は理学療法士や作業療法士、看護師が訪れるのを待つしかないのです。
「今、リハビリテーションを集中して行えばわるくならないのに!」
と思ってもできないのは、患者本人としても、その家族としても、また病院としても、なんと歯がゆく残念なことでしょう。そこに理学療法士の代わりにリハビリテーションを実施できるロボットがあれば、必要なだけリハビリテーションを補うことができます。
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リハビリテーションと聞くと整形外科での手術後のリハビリテーションというのが一般的に思い浮かびますが、リハビリテーションが必要なのは、このような急性期や回復期の症状だけではありません。
廃用症候群※の予防、高齢者が要介護状態にならないように身体機能を維持する介護予防のためにもリハビリテーションは重大なニーズがあります。
この身体機能を維持するという目的においては、病院だけではなく老人ホーム等の高齢者生活施設でのリハビリテーションが望まれています。 |
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※廃用症候群:身体あるいは身体の一部を使用せずにいることによって、身体あるいは身体の一部に障害を生じること。例えば足をずっと動かさずに横になっていると歩くことができなくなってしまうことなど。 |
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九州大学病院リハビリテーション部では、TEM LX2で下肢運動するだけで脳の血流量が増えるという研究発表をしています。
自動車事故などで長いあいだ意識が戻らなかったけれど、ある日突然目が覚めたというニュースを聞くことがあります。このような場合に、TEM LX2で毎日、適正な時間で下肢を動かすことで、意識障害のある患者の脳の血流量を増やし、脳を活性化できれば、より短い期間で意識が戻ることも可能になるかもしれません。 |
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産業界、病院、家庭など、さまざまなシーンで人を助け、人と共存するロボット。
安川電機は "人にやさしい"ロボットの開発・製品化を進めています。
安川電機のロボット製品については下記ページをご参照ください。
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