■第24話 「新製品Σ-V miniって!」 |
|
入間君 |
えっと・・・特長・・・う~ん・・・ |
豆大福先生 |
何を見ているんだい?入間君。 |
入間君 |
あっ、豆大福先生。実は、あるお客さんへ新製品のΣ-V miniの提案をしようと思ってカタログを見ていたんです。 |
豆大福先生 |
なるほど。で、提案はちゃんとできそうかい? |
入間君 |
この製品は『ミニ(mini)』というだけあって、サーボモータもサーボパックも小さいということと、やはり『Σ-V』ということで高性能というのが特長だとは思うのですが、もう少しお客さんが興味を持つようにPRできないかと思って・・・
けど、どうPRしたら良いか解らなくて悩んでいるんです。 |
豆大福先生 |
そうであれば、お客さんの装置がどういう用途のものか、また、何が出来ると装置の性能向上や付加価値になるのかを調べ、Σ-V miniの特長と照らし合わせてみると良いと思うよ。
そのお客さんの装置はなんだい? |
入間君 |
担当するA社さんの抵抗やコンデンサといったチップ部品やIC等の電子部品を基板に実装するマウンタです。 |
豆大福先生 |
マウンタでエンドユーザから一番求められる性能は何だい? |
入間君 |
やはり部品を実装する速さ、すなわちタクトタイムだと思います。だから今のヘッドのノズルの昇降用の他社サーボの置換えに提案したらΣ-Vの高応答性によりタクトタイムは短縮できるとは思います。 |
豆大福先生 |
確かに、それはPRになるね。
けど、それだけかな?
マウンタのヘッド部に絞って考えてみよう。
マウンタのヘッドはこの絵の様な多連ノズルタイプが主流だね。

まずは構造上でΣ-V miniのPRが出来ないか考えてみよう。
例えば、抵抗やコンデンサといったチップ部品用のヘッドでは何本かのノズルが並んでいるね。けど、もしこれがモータのフランジサイズによって制約を受けており、Σ-V miniモータに替えることでフランジ寸法が小さくなるのであれば・・・

(1)更にノズルが追加できる、あるいは…
(2)ヘッドの幅を縮めることが出来るね。
|
入間君 |
(1)なら、更にノズルが増やせることでタクトタイムが短縮できますし、(2)なら実装面積が広くなり、より大きな基板に対応できることになりますね。 |
豆大福先生 |
また、Σ-V miniモータに替えることでモータの質量も軽くなるのであれば・・・
最低限、「(従来モータとの質量の差分)×(軸数分)」の軽量化は可能で、更にフランジサイズが小さくなることで機構部などもスリムになり、ヘッドの更なる軽量化が期待できると思うよ。
|
入間君 |
ヘッドが軽量化できれば、ヘッドを動かすのに必要なトルクも軽減されますから、その分スピードアップすることで、タクトタイムの短縮も期待できますね。

|
豆大福先生 |
そうだね。では次に、実装性能についても考えてみよう。
例えば、大きなICやコネクタも実装できる多機能タイプのヘッドの場合、実装する部品によってノズルを交換して色々な部品を搭載するのだけれども、搭載する部品や交換するノズルによって質量、すなわちモータにとっての負荷慣性モーメントの変動はチップ部品用のヘッドよりも大きくなるね。


この場合には、Σ-V系サーボパックの特長である『摩擦補償機能』がその様な変動を補償してくれるので、搭載する部品によって応答性が変わってしまい、タクトタイムが落ちたり、停止する際のオーバーシュート(行き過ぎ)を抑えてくれるので、装置性能の安定化につながるんだ。
最近のマウンタは同じ装置でもエンドユーザの要求によって高速タイプのヘッドと多機能タイプのヘッドを交換できるものがあるけど、もし、サーボパックがヘッド部に搭載できれば配線を少なく出来るので、組み換え作業の手間が軽減されるというメリットも得られるかもしれないね。この場合、小型、軽量、DC電源入力タイプ、MECHATROLINK通信に対応したΣ-V miniのサーボパックはとてもニーズに合っているのと思うよ。

|
入間君 |
本当ですね。これだけPRポイントがあるとは思いませんでした。すごく勉強になりました。 |
豆大福先生 |
A社さんと言えば、そこの地元には、○○家の“しお豆大福”というのがとても美味しくて有名だったな~ |
入間君 |
わかりました、提案で訪問した帰りに買ってきます!! |
豆大福先生 |
催促したみたいで悪いね。
けど販売は10時と15時の1日2回で、販売開始の1時間前から並ばないと買えないという話だよ。 |
入間君 |

えっ・・・ |