■第4話 「オートチューニングって必要なの?」 |
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行橋君 |
あれ?動いとぅ??? |
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豆大福先生 |
どうしたんだい?行橋君 |
行橋君 |
あっ、豆大福先生。
実はお客様からベクトル制御についての質問を受けたんです。先日発売したV1000を使っていただくことになったんですけど、ベクトル制御で使うのが初めてだそうで、不安を持たれているんです。
ベクトル制御で使うときは、オートチューニングが必要だって、この前 豆大福先生に聞いたので、お客様に説明する前に、まず自分でやってみよう と思って、インバータを動かしてみたんです。 |
豆大福先生 |
いい心がけだね。でもなぜ不思議がってるんだい? |
行橋君 |
オートチューニングしないで運転してしまったんですけど、ちゃんと回ってるんです。 |
豆大福先生 |
そうだね、回ってるね。 |
行橋君 |
んぁ?オートチューニングせんでもよかとですか!? |
豆大福先生 |
しないといけないよ。
でもしなくても回ることが不思議ってことだね。 |
行橋君 |
そうなんです。 |
豆大福先生 |
ベクトル制御は、モータの特性をインバータが理解して動作させるものだから
オートチューニングはやらないといけないんだよ。でもインバータの中に汎用
モータのデータを初期値として持っているからそれなりに回ることができるんだ。 |
行橋君 |
それだったら、しなくてもいいんじゃないですか??? |
豆大福先生 |
行橋君、お客様がベクトル制御を選んだ理由ってなんだろうね。 |
行橋君 |
それは・・・ 低速で使いたいってことなんかなぁ・・・ |
豆大福先生 |
それ以外に、速度精度を求められていないかな? |
行橋君 |
あぁ!それも言われとった! |
豆大福先生 |
そうだったら、オートチューニングは必要だね。 |
行橋君 |
オートチューニングって速度精度を上げるためにあるんですか? |
豆大福先生 |
それだけではないんだけどね。
オートチューニングでは、モータのさまざまな特性をインバータに取り込むんだ。
たとえば、モータの無負荷電流、スリップ周波数、線間抵抗値など、モータのNPに記載されていないものも取り込むんだ。
かご形モータは、負荷が変わると速度も変化することを覚えているよね?
ベクトル制御は負荷が変わっても速度が変わらないように制御するから、インバータはどんなモータを駆動しようとしているか分からないといけない。
でも、インバータに 実際に使うモータと違うデータになっているとどうなるかな? |
行橋君 |
モータの回転速度が合わない・・・・。 |
【ベクトル制御】 |
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豆大福先生 |
そう!回ってはいるけど、速度が合っているかは分からないんだ。
こんな風に、トルク特性が傾いてしまうんだ。
そうなると、お客様の要望に応えることはできないよね。 |
行橋君 |
そうか!分かりました! |
豆大福先生 |
ベクトル制御は、これ以外にも励磁電流と、2次電流を分けて制御するから
本当はこれも理解しておかないといけないよ。 |
行橋君 |
それは覚えています。モータに流れる電流を励磁電流と2次電流に分けて、電流を流す位相(方向)を制御するんでしたよね。だからベクトル制御でしたよね!!! |
豆大福先生 |
そうだね。励磁電流と2次電流で分けて考えるためにも、オートチューニングを
実施して、モータの特性をインバータに取り込まないといけないね。 |
行橋君 |
ありがとうございます。
これで自身を持ってお客様とお話できそうです。 |
豆大福先生 |
そういえばオートチューニングの操作方法は分かっているかな? |
行橋君 |
そればばっちりたい!
ここにオートチューニングの操作方法が載っとったんで、さっき見とったとですばい!
↓↓↓
http://www.e-mechatronics.com/inverter/v1000_special/sugo/power.html
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豆大福先生 |
そうか。だったら大丈夫だね。 |
行橋君 |
じゃ、早速お客様のところにいってきます! |
豆大福先生 |
あ、ちょっと待って行橋君。
ところで、あまり九州弁が出なくなったような気がするけど、気のせいかな? |
行橋君 |
先日、お客様から早口やし、わからんって言われたとです。
で、ちょっと気を付けようと思いまして... |
豆大福先生 |
そうか、お客様本位で考えてみたんだね。 我が社の社憲を実践してるってことだ。
ま、がんばんなさい。気をつけて行っておいで。 |
行橋君 |
はい!行ってきま~す! |
豆大福先生 |
さて、今日は、苺大福でも食べるとするかな… |