2006年10月12日号

豆大福先生に聞いてみようよ!
 

豆大福先生はモーションコントロールスクール講師。
ユーザさんに対しての講習はもちろん、新入社員の研修も担当している。

行橋くん、入間くん、竹芝さんは、数年前の入社当時に研修を受けた新人営業さん。
彼らは疑問があると、今でも豆大福先生を頼ってくる…

 

 
■第1話 「高調波対策ってなにをすればいいの?」
 
行橋君 どれを選んだらよかとかな…
豆大福先生 どうしたんだい?
行橋君 あっ、豆大福先生。
お客様から高調波対策をするための機器を選定してほしいって依頼があったとですけど、どれをお勧めすればよいかわからんとです…
豆大福先生 お客様の電源環境はどうなっているのか知っているかな?
行橋君 えーっと・・・
400V 60Hzです。
豆大福先生 それは、インバータの入力電源の仕様だね。
高調波対策をするときは、お客様の受電点での電圧と契約電力量が分からないと、どんな対策をすればいいのかを決めることができないんだよ。
行橋君 リアクトルを付ければよかとじゃなかですか?
豆大福先生 リアクトルだけだと不十分な場合もあるし、付けなくてもいい場合もあるんだよ。
行橋君

そこば判断するとにはお客様の電源環境が必要になるとですね!
ばってん・・・・どうやって判断すればよかとでしょうか?

豆大福先生 日本電機工業会の技術資料 『JEM-TR201』 に計算する方法が書いてあるから見てごらん。
行橋君 えーっと。
この資料ですね。
えっ!!!
こがん複雑な計算をせんばならんとですか!!!
数学苦手ですー
豆大福先生

だろうと思って、「高調波計算用ワークシート」というものも準備してるんだよ。
これを使ってごらん。

これだと、途中の計算はしなくても、お客様の電源環境と使用されるインバータの形式などがわかれば、どんな対策をすれば良いのかを判断することができるよ。

  高調波計算用ワークシート →  https://www.e-mechatronics.com/inverter/e_tool/
   
行橋君 へー、これだったら自分で出来そうだ。
んっ??
豆大福先生、この回路分類ば何ですか?
豆大福先生 これは、どんな対策を施すかで決まるものだよ。
今回計算するのはどんなインバータなんだい?
行橋君 Varispeed G7400V 45kWです。
豆大福先生 それだったら、直流リアクトルを内蔵している機種だから、回路分類細分No.33だね。
行橋君 そういうことか!!!
リアクトルには直流と交流の2種類があるとですが、内蔵していない機種のときは、どっちをお客様にお勧めしたらよかですか?
豆大福先生 高調波全体の低減効果はどちらもほぼ同じだから、寸法が小さいことと、配線が少なくてよい直流リアクトルを使うことが多いようだよ。
 
直流リアクトル   交流リアクトル
   
行橋君 分かりました!
早速お客様に電源環境を確認してやってみます!!!
豆大福先生 ちょっと待って。
リアクトルを付けただけでは不十分なときはどうすれば良いか知ってるのかな?
行橋君 12相整流にしたり、正弦波コンバータを使うとよかとですよね!!!
豆大福先生 それは覚えていたようだね。
ちなみに、それぞれの場合で、高調波はこんなに違うんだよ。
 
リアクトルなしの入力電流波形 歪み率 88%
直流リアクトル付きの入力電流波形 歪み率 40%
12相整流時の入力電流波形 歪み率 12%
   
行橋君 これは入社したときに、研修で豆大福先生が教えてくれましたよね!!!
豆大福先生

研修の成果が出ているようだね。
ところで、研修で一緒だった入間君や竹芝さんはどうしてるかな?

行橋君 入間くんはサーボ、竹芝さんはコントローラを担当しとります。
みんなお客様を訪問しとるので、そろそろ豆大福先生に相談ばくると思いますよ。
豆大福先生

そうかそうか、これからの活躍が楽しみだね。

さて、一件落着したところで、大福でも食べるとするかな…

 

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