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事例紹介

上肢リハビリ装置AR2 お客様の声 独立行政法人 労働者健康安全機構 秋田労災病院

秋田県大館市で地域のリハビリテーションの中核を担う秋田労災病院。
秋田労災病院には、当社Humatronics(※)機器のAR2(上肢リハビリ装置)が採用されています。
今回は、お客様の視点でAR2のご評価ならびに施設の今後の展望について、
同院の中央リハビリテーション部 主任 作業療法士である田村様にお話を伺いました。

※Humatronics…人間(Human)とメカトロニクス(Mechatronics)を掛け合わせた造語。

秋田労災病院の外観

秋田労災病院の概要

ー早速ですが、貴院の概要について教えてください。

田村様
 秋田労災病院は秋田県北部の鉱山で働く方の治療を専門的に行うために1953年に東北労災病院分院として設立され、1956年に秋田労災病院として独立しました。今では、整形外科、内科、消化器科、外科、脳神経外科、神経内科、皮膚科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、リハビリテーション科などを有し、地域の医療ニーズに広く応える体制をとっています。

ーその中でも、リハビリテーションについての特長を伺ってよろしいでしょうか?

田村様
 当院は理学療法、作業療法、言語聴覚療法の部門があり、リハビリテーション総合承認施設としての承認を受けています。脳卒中後のリハビリテーションに関して言えば、促通反復療法、随意運動介助型電気刺激療法、ボツリヌス注射後の機能訓練など、多様なリハビリ治療を展開しています。脳卒中以外のリハビリテーション領域では、特に整形外科領域でのリハビリテーション例が豊富です。年間約800~1000例の手術を実施する急性期の機能を持っていますので、頸髄症、脊柱管狭窄症、ヘルニアなどの脊椎外科手術前後、股関節・膝関節の手術前後のリハビリテーションに関する豊富な経験があります。地域のリハビリテーションセンターとして、市内はもとより、近隣市町村からの患者さんの受け入れも多いです。

秋田労災病院 中央リハビリテーション部 主任 作業療法士 田村様
今回ご協力いただいた
秋田労災病院 中央リハビリテーション部 主任
作業療法士 田村様

AR2を整形外科領域でのリハビリテーションにも活用

ーなるほど、運動器リハビリテーションにも注力されているんですね。

田村様
 そうです。脳卒中片麻痺の患者様にAR2を利用していますが、実は当院の場合は整形外科領域のリハビリテーションにもAR2を活用しています。もともと脳卒中のリハビリテーションで促通反復療法を実施していましたので、電気刺激の利用については経験がありました。免荷量を細かく調整できる機能と、スイッチに同期する電気刺激を活用することで、整形外科領域のリハビリテーションでもAR2を使えるのではないかと考えて利用しています。

ー整形外科領域での利用ですが、具体的にはどのような症例に使用されていますか?

田村様
 先ほど例としてあげた頸髄症、脊柱管狭窄症などでは、手術後に患者さんの低下した筋力をいかに回復させるかが重要なテーマになります。この筋力を回復させるために行う訓練で、AR2を利用しています。従来のリハビリテーション機器などで、多くの箇所の筋肉を使う運動により、結果として意図していない代償運動などを引き起こし、不都合な状態になるケースがあります。そのような状況下で、筋力が回復していない肩の弱い筋肉をピンポイントに鍛える訓練を行うときにAR2の利用が可能です。免荷量を細かく調整できますので、段階的に負荷を上げたり、患者さんが疲れている際には負荷を下げたりと言う形で、状態に応じた訓練課題の設定が可能になるので利用しやすいです。AR2は電気刺激の機能もありますので、特定の筋肉に電気刺激を入れることで更に機能回復が図れます。

AR2セッティングの様子
免荷量について、毎回確認しながら
AR2のセッティングをしています

AR2の活用で、患者さんのモチベーションを引き出す

ー患者さんのリハビリテーションの質向上にAR2が貢献しているな、と実感できるのはどのようなシーンでしょうか。

田村様
 先ほどの話とつながりますが、機能で言えば免荷量を細かく調整できる機能が質の向上に貢献していると感じます。リハビリテーション室での訓練ができる時間というのは基本的に限られていますが、様子を見ながら患者さんが「ギリギリ腕を動かすことができる」免荷量に設定することで、訓練の効果を最大限高めることができます。そのような最適な免荷を状況に応じたセッティングができるので、リハビリテーションの質の向上にAR2が役立っているな、と感じます。短い時間でも効果が期待される課題ができれば、他のプログラムに割く時間も生まれますので、その意味でもリハビリテーションの質の向上に貢献していると感じます。免荷量はグラム単位で見え、定量的に判断しやすいので、患者さんからすれば負荷が段階的に変わっていく様子が分かりやすく、自身の機能改善が見えやすいという点も無視できません。「もっと免荷量を軽くしても大丈夫」などの発言が出てきて、患者さん自身が自分の訓練を内省している様子が見受けられます。結果として、モチベーションの維持につながっていると感じます。AR2を実施する際には、機能障害改善の先にあるADLなどの目標となる動作について話し合いを行い、この負荷の段階的調整によって引き出された成果を、「食事をする」「髪を洗う」「荷物を持ち上げる」などの動作につなげて取り組めるように意識付けしています。これも、リハビリテーションの質の向上に寄与するポイントだと考えています。

秋田労災病院のこれから

ー最後に、秋田労災病院の今後の展望を教えてください。

田村様
 独立行政法人 労働者健康安全機構では、「勤労者医療の充実」「勤労者安全の向上」「産業保健の強化」が理念として掲げられております。当院としては、今後も地域のリハビリテーションセンターとして、質の高いリハビリテーションを提供し、患者さんが職場復帰できるような勤労者医療を提供できればと思っています。

今後も秋田県のリハビリテーションセンターとして、地域に良質な医療をご提供されていくという秋田労災病院。
当社もHumatronics技術をベースとしたマシンをご提案していき、お客様の目指す姿に貢献してまいります。
AR2のご採用ならびにインタビューのご快諾、ありがとうございました。

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