システムエンジニアリング
下水水質シミュレータ
概要
閉鎖性水域の富栄養化防止のために窒素・リン除去などを行う高度処理の必要性が求められています。しかし、高度処理のような複雑なプロセスの管理は、経験の深い熟練された技術者を要します。そこで、経験の浅い技術者でも運転管理ができるような支援システムが必要となります。そのためには、運転方法の変更により、どのように水質が変化するかを確認可能な水質シミュレータが必要です。
そこで、運転方法の変更などによりプロセス各段階の窒素、リン、有機物などの水質がどのように変化するかを予測可能な下水処理シミュレータの開発を行いました。本シミュレータでは、IWA(International Water Association)が提案したIWAモデルNo.2dを水質モデルとして使用しています。
本シミュレータを活用することで下記のような省エネ運転検討を行う事も可能です。
- 下水処理場では、反応槽での微生物活動を維持する為にブロワで空気を供給しています。ブロワは処理場で電力を大量に消費しているため、処理水質を維持しながらブロワの送風量を抑えることで省エネを図ることができます。そこで、事前に水質シミュレータで送風量削減の検討を行いました。対象とした制御パラメータは、送風量の細かな制御がブロワや配管系で困難である為、送風量の間接的な目安となる水中の溶存酸素濃度 (DO) としました。
まず本シミュレータにより、処理水質を維持できる各反応槽の DO 最低限値を求め、続いて、各槽の DO 分布を実プラントで再現し、DO の変更前後での処理水質の変化を調査しました。その結果、ブロワの送風量を削減させても処理水質を維持できることを確認しました。


