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HACCP義務化で衛生管理に注目!
食品製造に適したロボットとは?

2020.5.26

豆大福先生への質問豆大福先生への質問

HACCP義務化への対応で、食品製造工場の衛生管理を強化します。
良い手はありますか?

人手による作業が多い食品の製造現場でも、ロボットや自動化のニーズが高まっていますね。特に、2020年6月には、食品衛生管理の国際基準「HACCP(危険要因分析・重点管理点)」による衛生管理が義務化されます。食品製造に適したロボットには、衛生面でも様々な工夫がされているのでご紹介しますね。


HACCP義務化で衛生管理が変わる

食品製造に関わる方であれば、HACCP(ハサップ)を聞いたことがあると思います。日本では、2018年に可決された改正食品衛生法でHACCPによる衛生管理が義務づけられることが決まりました。法施行は2020年6月です。

HACCP義務化で衛生管理が変わる

HACCPって?
Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会が示し、国際的にも推奨されています。原材料の入荷から製造、製品の出荷、提供までの全工程を整理し、そのプロセスの中で異物混入や食中毒の原因になる菌による汚染などの危害要因(ハザード)を分析。リスクを除去または低減させるために、特に重要な工程を管理し、科学的根拠を基に管理基準を設け製品の安全性を確保する手法です。日本では2020年6月、食品を扱う事業者に義務づけられます。法施行から1年は猶予期間で、2021年6月には完全制度化されます。

衛生管理の基準が厳しくなることで、食品業界は対応を迫られています。衛生面で言えば、製造の現場に作業者が多いこともリスクの一つになります。人為的なミスの発生や、作業者に付着する菌や毛髪の混入を完全に防ぐことは難しいからです。
対策の一つとして、製造の自動化やロボットの導入を検討されている事業者も多いのではないでしょうか。ただ、ロボットを導入することで別のリスクも出てきます。「ロボットは洗浄しづらいのでは?」「潤滑油の混入のリスクが心配」という声を聞くことがあります。食品製造に適したロボットは、製造を自動化するだけでなく衛生面で様々な工夫が施されていますので、ご紹介しますね。

衛生面に配慮した食品仕様ロボット

安川電機は、食品製造の自動化にも取り組んでいます。2019年には、食品製造ラインへ適用できる、人協働ロボットMOTOMAN-HC10DTF(食品仕様)の販売を開始しました。食品製造ラインにロボットを導入するにあたって、衛生面での課題をクリアするための3つの特長があります。

MOTOMAN-HC10DTF(食品仕様)

① 洗浄しやすさ
MOTOMAN-HC10DTFはすべての軸が防じん・防滴構造になっています。IEC(国際電気標準会議)で定められている製品の防じん・防水における保護等級IP67(じんあいは侵入せず、一時的な水没に対して保護できる)の構造を全軸で実現。また、先端フリンジの材質はステンレスなのでさびの発生を抑えます。また、酸やアルカリ性洗浄剤やアルコールによるロボット全体の洗浄もできます。
※使用できる洗浄液には、pH、希釈濃度などの制限があります。

② 食品グリースを採用
食品製造の工程の中でロボットの潤滑油が混入しない対策は必要ですが、万が一、混入してしまった場合に備えて安全性の高いH1認証の食品グリースを使用しています。H1認証は、NSF(国際衛生科学財団)が規定しているH1規格を満たした潤滑油です。

③ 塗装の剥がれ対策
食品製造ラインでは、機械や設備の塗装が剥がれて塗装片が食品の混入してしまうこともリスクになります。MOTOMAN-HC10DTFはロボット本体に特殊なメッキ処理を施すことにより、ロボットの塗装片混入リスクを排除し食品製造ラインでの安全性を確保します。

もちろん、これまでご紹介してきたような、安全柵なしでの使用する際の「人協働モード」や、挟み込みの防止の形状など、安全運転・安心設計はMOTOMAN-HC10DTFでも適用しています。

食品製造ラインで活躍するために、食品仕様ロボットは多くの工夫で衛生面のリスクを低減しているんですね。

解説のポイント

  1. HACCP義務化で衛生管理が厳しく
  2. 人手による作業を減らすために、自動化やロボットに注目が集まっている
  3. 食品仕様ロボットは、洗浄のしやすさなど衛生面での工夫をしている

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