2008年4月1日号

豆大福先生に聞いてみようよ!
 

豆大福先生はモーションコントロールスクール講師。
ユーザさんに対しての講習はもちろん、新入社員の研修も担当している。

行橋くん、入間くん、竹芝さんは、数年前の入社当時に研修を受けた新人営業さん。
彼らは疑問があると、今でも豆大福先生を頼ってくる…

 

 
■第9話 「ND定格とHD定格どちらで選定すればいいの?」
 
行橋君 え~っと、用途がファンで、モータが1.5kWだから・・・・・
豆大福先生 なにをしてるんだい?
行橋君 豆大福先生! インバータの選定をしてるとですけど、よくわからんとです・・・・
豆大福先生 よかったら相談にのるよ。
行橋君

ありがとうございます。お客様から、ファン用に1.5kWのインバータの選定をしてほしいって 言われて、新しいV1000をお勧めしようと思うんですけど、どの容量(モデル)を選んだらいいのかよく分からなくて。ND定格とHD定格で容量が変わるんですよね?

豆大福先生 そうだね。おそらく、容量から選ぼうとしてるから分からなくなっているんじゃないかな?まずは、ND定格とHD定格の違いについて考えてみようか。
行橋君

はい、確か、、ND定格は軽負荷でHD定格は重負荷ですよね?

豆大福先生 そうそう、よくわかっているね。用途別でいえば、ファンやポンプのように加減速が比較的穏やか(ゆっくり)なものは、軽負荷なのでND定格。ホイストやコンベアなどの急な動きを必要とするものは重負荷なのでHD定格なんだよ。
行橋君

従来のインバータはHD定格だけだったので、V1000やJ1000のND定格での容量選定になるとちょっと戸惑ってしまいます。

豆大福先生

ふむ、確かにそうだね。では、もう少し詳しく説明しようかな?

行橋君 はい、お願いします!
豆大福先生

そもそもファンやポンプは、加速、減速時の電流増加が少ないため、過負荷耐量は120% 60秒あればよいというのが、一般的なことなんだ。それを今までHD定格しかなかったため 150% 60秒(※)で選定していたんだ。もちろんV1000やJ1000をHD定格で選定しても問題はないんだが、一つ小さなインバータを適用できれば、お客様にとっては省スペース化や価格が安くなって、とてもメリットが大きいといえるね。

負荷定格による主な違いの表
  (※)通常使用時は100%の力で使用しますが、短い時間内であれば、定格(100%)以上の力を出すことができます。
150%、1分とは、1分間は定格の150%の力を出すことができるという意味で、インバータで駆動するモータの共通的な仕様です。
豆大福先生 あとカタログの仕様をみてごらん。たとえば、CIMR-VA2A0008のHD定格だと定格出力電流は6.9Aだけど、ND定格で使う場合は8.0Aになるんだよ。
インバータ仕様
行橋君 ほんとだ! それでND定格とHD定格で適用できる容量がかわるんですね!
豆大福先生 これで選定ができるね。じゃあ、やってみようか。
行橋君

え~っと、用途がファンだからND定格で、モータが200V 1.5kWだから・・・・・
CIMR-VA2A0008 になるんですね!

豆大福先生

そうだね。従来のインバータは、HD定格だけだから1枠上のVA2A0010を使わないと
いけなかったけど、V1000やJ1000は、ND定格もあるから、軽負荷の用途であれば1つ小さなインバータを適用できるんだよ。

行橋君 なるほど、よく分かりました。これで自信を持って選定できます!
豆大福先生 それは良かった。
それから、コンベアなどの用途でも、加速時、運転時の過負荷耐量が120% 60秒以下の場合はND定格で使うことができるんだよ。
行橋君 はい。今日は教えていただき、ありがとうございました。
豆大福先生

さて、今日も大福を食べるとするかな・・・

 

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